26年産米 販売・在庫動向ふまえ作付け方針検討を 水田・畑作農業対策で方針 JA全中2026年1月14日
JA全中は1月8日の理事会で「令和8年水田・畑作農業対策にかかる取り組み方針」を決めた。販売・在庫動向をふまえた目安や作付け方針の検討と見直しも含めた需要に応じた生産の徹底を図る。
最大級の在庫見通し
25年産米の販売状況は悪化している。11月の集荷業者から卸への販売数量は8.8万tで前年同月比58%、6.4万t減となった。出来秋から11月末までの累計販売数量は37.5万tで統計を取り始めた2014年産以降、もっとも少ない量となった。
一方、25年産米は前年より67.6万t多い747万tとなり、さらに輸入米の増加もあり、国産米の11月末の民間在庫は前年から70万t急増し329万tとなった。米の「基本指針」では来年6月の民間在庫を215万t~229万tと見込んでいるが、これは需要見通しの上限値711万tを前提にしたものだ。
今後、需要が下振れすれば在庫のさらなる積み増しも懸念され「最大級の在庫水準」となるとして「米価が大幅急落しかねない状況」(全中)と見ている。
こうした状況のなかで営農継続ができる適正な価格を実現するには、需給環境を整備する必要があることから、取り組み方針では25年産の販売対策と26年産の生産対策をセットで取り組むこととした。
長期計画的販売
25年産対策は米穀周年供給・需要拡大支援事業を活用した計画的販売に取り組む。この事業は産地での自主的な取り組みとして生産者が拠出して基金を積み立て、主食用米を長期計画的に販売する取り組みや、海外用など他用途への販売などを実施するための金利倉敷料や倉庫への集約費用など2分の1以内で国が支援する。
生産目安の修正も
そのうえで26年産に向けては、自県産米の販売進度の遅れや在庫の積み増しなどについて、関係者での検討を必ず実施し、主食用米の需給と価格の安定に向け、必要に応じて生産目安の見直しも行うことなどを取り組み方針とする。また、需要に応じた生産を進めるため、26年産では21万tを予定している政府備蓄米の入札にも積極的に取り組む。
さらに作付け後も8月20日まで需給や作付け状況をふまえた営農計画の変更ができるため、主食用を非主食用へ仕向けるなど需給環境の整備に取り組む必要がある。
戦略作物も重要
主食用米の価格高騰で販売状況が悪化していることに加え、加工用米などの生産が減って、長年確保してきた加工用・業務用の国産米需要を輸入米などに奪われてしまいかねないという問題もある。
25年産で加工用米は前年比88%、米粉用米は同55.5%、飼料用米は同46.6%と半減している。
主食用以外の戦略作物の安定生産、安定供給を推進するため産地交付金にめりはりを付けて加工用米や米粉用米の支援単価の上乗せなどの要請や、酒米を含めたコメ新市場開拓等促進事業などの活用を進める。
また、ブレンド米のニーズの高まりに応えて、多収品種の生産などで国産米の需要確保と拡大に向けた生産・販売の取り組みの強化も図る。
米の在庫が積み上がり適正在庫を大幅に上回る見通しとなっているが、26年産の生産目安の設定が25年産水準を上回る設定もみられる。こうしたなか26年産対策の最大のポイントは、生産目安について足元の販売・在庫状況をふまえて「必ず検討を実施すること」としている。
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