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JA全中、集落営農で初の全国研究会開催2013年6月17日

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 「次代へつなぐ集落営農の経営発展と豊かな地域づくり」をテーマにJA全中は6月14日、東京都内で第1回集落営農法人全国研究セミナーを開いた。全国の集落営農組織のリーダーやJA関係者ら120人が参加し、実践報告をもとに農業経営体としての安定と次世代への継承対策、、住民参加による多様な事業への取り組みなど、集落営農の経営発展のための課題を話し合った。

パネルディスカッションで登壇した5名。(左から)小林元・JC総研、安田惣左衞門・ファームにしおいそ理事、柴芝勉・田切農産代表取締役、吉武悟志・JA山口中央会、田村政司・JA全中

(写真)
パネルディスカッションで登壇した5名。(左から)小林元・JC総研、安田惣左衞門・ファームにしおいそ理事、柴芝勉・田切農産代表取締役、吉武悟志・JA山口中央会、田村政司・JA全中

◆発展めざし法人化を

 集落営農は品目横断的経営安定対策が導入された平成19年から組織が進み、17年の1万63組織から25年(2月1日現在)には1万4634組織に増えた。
 品目横断対策の政策対象になるための組織化にあたっては5年以内に法人化することが要件になっていたが、全国的にはその取り組みは進んでおらず、集落営農法人は25年で2917にとどまっている。集落営農組織に占める割合は19.9%だ。
 集落営農が経営体として発展していくには[1]作業受委託ではなく利用権設定による安定した経営基盤の確保[2]融資などを通じた規模拡大や設備投資[3]新規就農者など専従者雇用に必要な社会保険の整備、などが必要でこうした課題に対応するためにも、JA全中担い手・農地対策課の田村政司課長は「今や集落営農の法人化は前提。それを起点に経営を発展させていくこと求められている」と話した。
 JAグループでは集落段階で農業者、組合員が主役となって将来の担い手や地域の姿を描く「地域営農ビジョン運動」を進めているが、集落営農の法人化も地域農業の持続・発展にための重点課題としている。

◆多様な人々の参加で

 滋賀県の農事組合法人酒人ふぁ?む(本紙1月10号にルポ)は個別経営時代の10aあたり平均農業所得は、約1.1万円だったが組織化・法人化によって同6.7万円と6倍にも拡大している。
 ただし、法人化すれば経営がよくなるわけではない。
 田村課長は経営発展のための課題として、[1]農地の出し手が単なる地権者にならないよう多くの人が農作業などに参加する仕組みや場づくり[2]地域づくりの視点で農業以外の福祉活動など必要とされている事業への取り組み[3]1集落にとどまらず小学校区などへの規模拡大[4]地域に根ざした企業、病院、学校などとのネットワークづくりで農産物の提供機会の拡大と所得向上[5]経営継承のための人材育成と協同組織としてのメンバーへの教育、そして[6]JAの支援対策の強化を挙げた。
 集落営農法人は地域の協同組織ではあるが、同時に大規模経営体でもある。JAから何を作り売ればいいか、生産販売の提案を含め総合事業として支援をしていくことが必要になる。

◆集落営農間の連携も

 JC総研基礎研究部の小林元主任研究員は、集落営農の経営発展は「地域づくり」にあることを強調した。
 集落営農組織も設立から10年ほど経つと、協同組織であることへの住民・組合員の意識が薄れ、活動参加も低下するという。同時に次世代のオペレーターなど確保が問題となってくる。
 その一方で、買い物難民や交通弱者などの問題に多くの集落がぶつかっている。小林氏は高齢者の交通サービスを実施している事例を上げながら「地域の主人公としての集落営農法人」を提唱した。 そのためには女性や子どもの参加、地域外の人々からの提案などで小さくても多様な経済活動の実現を図る取り組みが期待されるとした。そこにはJAの生活指導員の知恵の蓄積も生かされるべきだという。
 また、農業生産では米依存から脱却するための野菜などの主力品目の導入も必要だとし、この場合は販売ルート確保のためのJAの役割発揮が必要となる。 さらに販売ロットの安定確保などを考えれば、購買や機械利用まで含め「集落法人間の連携」の道もあり得るとし、「JAのなかにミニ農協をつくる」ことも提唱、JAはこうした取り組みを地域で進めるための「ファシリテーター(促進役)」となるべきと強調した。

◆雇用による人材確保

 法人からの実践報告は滋賀県近江八幡市の「農事組合法人ファームにしおいそ」の安田惣左衞門顧問と、長野県飯島町の「株式会社田切農産」の紫芝勉代表取締役が行った。
 ファームにしおいそ(西老蘇)は、ほ場整備事業をきっかけに集落1農場をめざした平成13年の営農組合設立からスタート。22年に法人化。構成農家は82戸で、地区内90%超の約60haで利用権を設定している。
 設立にあたっては戸主ではなく男女別、世代別に意向調査を実施した。「全員がサラリーマンだった」ことから作業手順やマニュアルを策定し、大型機械などの技術習得に取り組んできた。日誌などで次の日の作業者に連絡を徹底することで情報を共有、また、作業記録に基づいてほ場ごとのコスト計算など経営の見直しも絶えず行ってきたほか、環境こだわり農産物や省力・低コスト生産、小豆やジャガイモ生産など複合化も進めてきた。
 ただし、現在の労働力は50?60歳代が中心で将来を担う人材の確保が課題。安田顧問は老蘇地域の4つの集落営農法人の連携を検討、規模拡大で年間を通じた仕事を確保し、雇用による人材確保を検討していると話した。

◆核となる事業を育成

 田切農産は地区の農家全員が参加した営農組合をベースに、担い手組織として地域住民が出資した、いわゆる2階建て法人である。 地区の農家が10年後にも農業を続けられるようにすることも経営理念のひとつで、たとえばネギやトウガラシの栽培は田切農産が資材等を用意するが、栽培管理は地域の農家に委託するという方法をとっている。また、直売所や移動販売、農業体験など地域の農家が参加できる場づくりにも力を入れる。
 また、法人経営として女性を“営業マン”に採用、販路拡大や新商品への取り組みを進めたきた。こうした活動の広がりは「自分たちで値段をつけて売る直売所」だったといい、紫芝代表は「核となるものができれば事業は広がる」と話した。
 研究会ではそのほか山口県の集落営農法人連携協議会の活動について事務局にJA山口中央会総合戦略部・吉武悟志氏が報告。法人の抱える課題を解決する連携協議会の役割と経営分析などを通じた中央会としての支援の有用性を話した。
 また、参加者には全国最大の1000haを組織化した岩手県盛岡市の農事組合法人となんの関係者も出席。熊谷健一代表理事は「経営も大切だが地域の幸せ追求が大事。高齢者の役割発揮を考えていきたい」などと話した。

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