第61回JA全国女性大会記念講演 「TPPの罠―未来は女性が守り抜く!」 堤未果氏 2016年2月15日
1月19日と20日に開かれた第61回JA全国女性大会で、ジャーナリスト・堤未果さんが「TPPの罠―未来は女性が守り抜く!」と題して記念講演した。
堤さんは米国が企業中心社会になり、農業、医療、教育、自治体までがビジネスのターゲットとなってきたことを指摘。企業の力を大きくすることでナンバーワンの国になろうとする米国は、たとえば養鶏業でもほんの数社の大農業法人のもとに農家が雇われるという構図になっている。格差は拡大し金融業界では収入差2万倍との指摘もある。
こうした利益追求の巨大産業の代表格が製薬会社、保険会社を中心とする医療ビジネスの世界で今やもっとも大きく米国を動かしている。
日本の国民皆保険制度は憲法25条に定められた社会保障制度として、また国民の助け合いの精神として実現し維持している。
これに対して米国の「医療保険」とは金融商品であり、収入が低ければ十分な医療保険を受けられず、また加入できたとしても保険料や治療費の負担が重い。堤さんは米国に暮らす親戚や知人たちが実際に支払った例を紹介したが、そのたびに会場から驚きの声が上がった。
「米国の医療保険や製薬会社は株主の利益を最大化することが目的。日本は地域で助け合う共同体の思想」と指摘。ただし、その米国がTPP協定で狙いとしているのが実は医療ビジネスの拡大で、「助け合いやお互いさまの精神はお金儲けのじゃまだと考えている」などと話した。
堤さんはこうした動きを女性たちはしっかり知って身の回りから行動を起こしてほしいとエールを送った。
(写真)講演する堤未果さん
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