輸出促進でJAグループが新法人設立へ2016年5月13日
JA全中は5月12日の理事会で、農産物輸出の拡大に向けてJAグループの出資で新法人を設立することを決めた。
新法人は、輸出意向のある農業者やJAなどに対してワンストップで対応する「輸出促進エージェント(仮称)」として立ち上げる。
海外マーケットの市場調査、テスト販売、販路拡大などに取り組むほか、貿易実務ノウハウを蓄積し輸出に必要な実務ノウハウ・手続きを産地側にワンストップで提供する。また、周年安定供給を行うため産地へ企画を提案、産地間連携を調整し青果物のリレー出荷もめざす。
設立に向け輸出に関するノウハウを持つ企業・団体・行政などと連携を強化し、新エージェントの機能や事業計画、資金計画などを検討する。輸出意向を持つ農業者のリスク軽減のため輸出事務代行や代金決済等の業務代行の実施も検討する。JA全中は、秋までに設立準備は完了したいという。
新法人の設立準備とあわせてシンガポールの営業拠点を強化するとともに、周辺国も含めた物流について段階的に整備することを検討する。
日本国内では全農が整備する輸出拠点に集約し共同配送などで物流コストの削減を実現する。シンガポールには輸入基地を整備し現地の量販店、レストランなどへの食材提供を行うとともに、店舗開発を企画する推進拠点も設置する。さらにシンガポールの輸入基地から周辺国への輸送も検討する。
各産地の輸出拡大に向けた取り組みの柱は、産地が全国にあるJAグループの強みを活かしたリレー出荷。1年を通じた供給体制を整備する。
たとえば、シンガポールの「明治屋」向けのダイコン輸出は4月は長崎、5月は岐阜、6月は青森などとリレー出荷が行われている。ただ、イチゴなどの青果は荷傷みがしやすいため、段ボールなどの専用資材や鮮度を保つコンテナの導入なども進める。今後3年でリレー出荷による輸出の取扱量・販売額を拡大する方針だ。
また、全農がJAなどから加工品を含めて農産品をリレー出荷により集め、台北、シンガポール、ロンドンの高級スーパーマーケットなどに通年で専用売り場を確保してテスト販売を実施し、売れ行きのよかった農産品は常設棚で販売を拡大していく。今後3年でテスト販売専用の売り場を設置している店舗を5か国・8店舗、常設棚を確保している店舗を6か国・220店舗に増やす。
そのほか米の輸出はクボタと共同して玄米を輸出し、現地で精米・販売する事業スキームを構築しているが、全農は多収性品種と低コスト栽培技術の導入による輸出専用産地づくりを実施している。27年産では15haだったが、28年産では宮城、福島、新潟、石川など9県で71haと約5倍に拡大する予定だ。
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