「女性の思い」思い切り 体験発表・作文コンクールで JA全国女性大会2017年1月25日
第62回JA全国女性大会が1月24、25日の両日、東京都内で開かれ、全国から600人の女性部員やフレッシュミズのメンバーが、農業や農村、地産地消や女性の自立など、それぞれ活動への思いを胸に集まった。大会のメインであるJA女性組織活動体験発表、「フレミズ活動"わたしの一歩"」作文コンクールのなかにその思いが込められている。
活動体験発表でJA全中会長賞を受賞した熊本県JA菊池の坂田春美さんは「何となく入った女性部から、目的を持った女性部に変わりつつあるようだ」と、活動を振り返る。
同JAには、出荷者を女性部員に限定した直売所4か所、インショップ7か所の「農産物市場きくちのまんま」があり、年間15億円以上を売り上げる。いずれも売場面積150平方メートル程度の小さな店で、この売上は1個100円の野菜の積み重ねだ。「私たちの活動は農家所得の増大のみならず、女性自立を促しているのでは」と坂田さんは活動に手応えを感じている。
JA全国女性協会長賞を受賞した島根県JAしまね石見銀山女性部は農産物加工の「旬菜工房『きれんげ』」を運営。「地産地消」「伝統料理の伝承」「雇用の場の創出」の3つを活動の柱に据える。
年間600万円以上を売り上げ、法人として経営を確立。「シニア女性の『もうひと花咲かせたい』の気持ちに応え、実益もある、必要とされる組織に成長することができた」と神谷栄子部長は振り返る。
一方、若い世代のフレミズも元気だ。「"わたしの一歩"」作文コンクールでは、最優秀賞の長崎県JAながさき西海女性部の八並菜々子さんが、ミカン農家の嫁・娘20人で組織する「オランジェグループ」を、「毎日の畑仕事の原動力であり、生きがいだ」という。本業の農業のためのフレミズ組織は珍しい。
男性中心の技術講習会とは別に、「農家の嫁の、農家の嫁による、農家の嫁のためのミカン勉強会」も開催。「もっと基本からミカンの勉強をしたい」という思いを実現している。キラキラして畑仕事に励むことが「結果的に、家庭が丸く収まり、ミカンもいいものができ、農業・農村が元気になる。それが一番すてきなことだと思う」という。
◆地域とJAの懸け橋に大会宣言
なお大会は最後に大会宣言を採択した。要約は次の通り。
政府は農協改革をすすめようとしていますが、昨年は「協同組合」がユネスコの世界無形文化財に登録され、世界的には協同組合の価値が高まっています。
こうした中、JAは自主自律の協同組合として地域に不可欠な存在となるため、自己改革の実践を通じて事業等の改革に取り組んでいます。
わたしたちは、こうした状況の中で、昨年策定したJA女性組織3か年計画「JA女性 ふみだす勇気 学ぼう・伝えよう・地域とともに!!」に基づき、JA女性組織の新たな飛躍に向け、メンバー一人ひとりが地域の中で輝けるよう次の通り宣言します。
一、JA女性組織綱領にある「住みよい地域社会づくり」にむけ、JAが進める自己改革を応援し、JAと地域の懸け橋になります。
一、学習を深め、たいせつなものを次代に伝えられるよう、広い視野をもって活動します。
一、多くの仲間と交流を深め、新しい感性を取り入れながら組織の活性化につとめます。
(写真)グループワークで活発な意見交換
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