全事業で総利益が減少 29年度上半期の総合JA経営2018年1月18日
平成29年度上半期の総合JAの経営は、すべての事業分野で事業総利益が前年同期比マイナスとなった。この結果事業利益は前年同期比▲14.9、経常利益が▲8.7%で、23年度以来、最も大きなマイナスとなり、JAをめぐる経済環境の悪化を反映する形となった。JA全中が1月17日、総合JA経営速報調査結果として明らかにした。
総合JAのうち、6月決算のJAを除いた649JAの上半期の経営速報値を集計した。それによると、貯金が前年同期比で3.1%増え、貸出金は0.6%減った。長期共済保有高は2.6%減、購買品供給・取扱高は0.2%減、販売品販売・取扱高は1.5%減となった。
貯金は、各種のキャンペーン等で全国的に増えたが、貸出金残高はマイナス金利情勢を背景とした他金融機関との金利競争の影響等で減った。長期共済保有高は、建物厚生共済の仕組み改訂で増加した県域もあったが、生命共済の満期到来による消滅や契約転換等による減少幅がそれを上回り、全体に減少した。
購買品供給・取扱高は事業取扱高全体で0.2%減となった。その内訳は生産資材が0.3%減、生活物資が0.1%減と、減少幅が小さく、共に下げ止まったものとみられる。生産資材は高齢化等による経営体の減少に対して、規模拡大や単収の増加等の生産性向上が追いつかないことが背景として挙げられる。
販売品販売・取扱高は28年産米価が回復基調で推移した一方で、青果物が供給過多による市況の不調がそれを上回ったため、全体で減少となった。
この結果、事業総利益は2.4%減となり、信用事業が3.1%、共済事業が1.7%、購買事業が2.4%、販売事業が0.3%、それぞれ前年同期比で減少となった。一方、人件費の圧縮で事業管理費が0.8%減となったが、事業総利益がそれを上回る2.4%減ったため事業利益は14.9%減となり、経常利益も事業利益減少で8.7%減り、いずれも2年続いての減少となった。
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