自己改革 営農指導で加速を-JA営農指導実践全国大会2018年2月26日
JA全中が2月22日から東京都内で開催した29年度JA営農指導実践全国大会は2日めの23日、8人の事例発表者によるパネルディスカッションを行い、「創造的自己改革の実現に向けた営農指導強化のための申し合わせ」を採択した。
(写真)29年度JA営農指導実践全国大会のパネルディスカッション
大会は全国各地の優れた産地振興や技術普及に取り組んでいる営農指導員が事例を報告し、その取り組みを広く紹介して営農指導員のレベル向上とネットワークづくりを目的として昨年から開催されている。
大会2日めはJA全青協の飯野芳彦会長が「営農あってこそのJA」と題して記念講演をした。
埼玉県川越市の市街化農地で露地野菜を生産販売している飯野会長は江戸時代から落ち葉で土づくりを続けてきた農業は「現在、農地から得られる富は過去の蓄積であり、今、農地に施すことは未来への蓄積だ、未来のための営みが農業ではないか」と語った。
(写真)記念講演するJA全青協の飯野芳彦会長
ただし、農業者自身は気候変動や地域の衰退、相場の変動など、つねに経営への不安があり、だから営農指導員とのコミュニケーションを期待していると話す。
またJAの営農指導と経済事業の手数料が安いことは、組合員生産者にとってそれがJAの信用・共済事業の利用につながっているとして「営農の収益でJAの総合事業は回っている」などと指摘し、ともに地域農業を持続させていく役割を営農指導員に期待した。そのほかJA青年部の政策提案活動であるポリシーブック活動について、これが現場からの「ボトムアップ型」の課題解決への「草の根運動」であることを強調し、地域の若手農業者とともに作成活動への協力も求めた。
大会では以下の内容を参加者全員で申し合わせた。
(写真)大会最後には「ガンバロー」を三唱した
【創造的自己改革の実現に向けた営農指導強化のための申し合わせ】
現在、全国各地のJAにおいては「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」の3つの基本目標の実現に向けて取り組んでいる。
この目標実現のためにはJAが取り組む創造的自己改革について担い手経営体をはじめ組合員から「JAはよくやっている」との評価を得ることが必要不可欠であり、そのためにはわれわれ営農指導員が果たすべき役割は大きいものとなっている。
ついては、われわれ営農指導員は下記について申し合わせ、創造的自己改革の実現に向けた取り組みを一層加速化させることとする。
記
(1)われわれ営農指導員はJAグループ自らが定めた目標の実現の達成に向け、営農・経済事業の面から全力を尽くし担い手をはじめとして組合員から高い評価を得る。
(2)われわれ営農指導員は最新の営農技術や経営指導に関する知識の習得に絶えず取り組み、常に自らの資質向上に取り組む。
(3)われわれ営農指導員は県域・全国の仲間とのネットワークを通じて優れた取り組みを学び、自らの地域の取り組みに活かす。
平成30年2月23日
平成29年度JA営農指導実践全国大会参加者一同
(関連記事)
・最優秀賞に畠さん(JA兵庫六甲)JA営農指導実践全国大会(18.02.26)
・自己改革 もっと発信を-JA広報大賞セミナー(18.02.22)
・JAの力の源泉は、盟友の皆さん【中家徹・全国農業協同組合中央会会長】(18.02.15)
・特別優良表彰にJAなんすん(静岡県)、JA福山市(広島県)-JA全中(18.02.09)
・人づくりでJA鹿児島きもつき JA全中の人事労務セミナーで報告(18.02.06)
・最優秀賞に佐藤昌幸さん(JA庄内たがわ) 営農指導実践大会(17.02.24)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































