第48回日本農業大賞決まる 富山県のアグリゴールド矢木など7件が大賞2019年2月1日
JA全中とNHKが主催する第48回日本農業賞の「個別経営の部」「集団組織の部」「食の架け橋の部」の受賞者が決まり、1月31日に発表された。大賞と特別賞の表彰式は3月9日、東京都渋谷区のNHKホールで、また優秀賞と奨励賞の表彰式は各都道府県で行われる。
◎個別経営の部大賞(3件)
▽(有)アグリゴールド矢木(富山県下新川郡、JAみな穂)
▽京丸園(株)(静岡県浜松市、JAとぴあ浜松)
▽(有)マルミファーム(愛知県額田郡、JAあいち三河)
アグリゴールドは、約140haの大型水田を中心とする大規模経営を行っている。5年前から冬はミニトマト、一昨年からはイチゴを導入し、農業法人として県内初のGLOBALGAPを青果物で取得した。また周年的に収益を確保するなどの点も評価された。
京丸園は、障がい者や高齢者、女性など多様な人材を活かした「ユニバーサル農業」を実践。この理念が、人手不足解消の一助となると評価された。同社は「姫ねぎ」「ミニちんげん菜」など独自のブランドを確立し、3.7億円を売り上げている。
マルミファームは、養豚の一貫経営を行う農家で、オールインオールアウト方式の採用、リキッドフィーディングの導入、高生産性豚品種(TOPIGS)への全頭切り替えを行った。これにより全国トップクラスの経営を実現した点が評価された。
◎集団組織部の大賞(3件)
▽農事組合法人井土生産組合(宮城県仙台市、JA仙台)
▽みなみ信州農協柿部会(長野県飯田市、JAみなみ信州)
▽島原雲仙農協雲仙ブロッコリー部会(長崎県雲仙市、JA島原雲仙)
井土生産組合は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けたが、8年を経て年間売上高1.5億円にまで成長。その経営は模範的として注目された。
JAみなみ信州の柿部会は、2060人もの部会員で組織されている。「市田柿」のブランド化に取り組み、年間1500tを生産。販売額は20億円まで成長、新たな皮むき器を導入し高品質な商品作りにも励んだ。
長崎県全体のブロッコリー出荷量の半分以上を生産するJA島原雲仙。部会活動も活発で、経営改善意欲も高い。若手後継者会を設立したり、地域内の研修生を受け入れ就農支援をしたりするなど今後も生産拡大が見込まれる点などが評価された。
◎食の架け橋の部大賞(1件)
▽河合浩樹(愛知県豊橋市)
30年に渡りレモンの無農薬栽培を行う河合氏は、地域の食品加工会社やホテルなど異業種と協力し多彩な加工品を開発。露地ミカン栽培にも尽力し、環境保全型の農業で消費者に安全と安心を提供。「ミカンオーナー制度」を実施するなど業界の発展に寄与した点が評価された。
各部門の受賞者は以下の通り。
★個別経営の部
【特別賞】
▽(株)JB.YASHIKI(栃木県鹿沼市、JAかみつが)
【優秀賞】
▽(株)北ファーム(石川県金沢市、JA金沢市)
▽(有)カーライフフジサワ(岡山県岡山市、JA岡山)
▽西村鉄舟、西村綾(長崎県諫早市、JAながさき県央)
★集団組織の部
【特別賞】
▽JA北つくばこだま西瓜部会(茨城県筑西市、JA北つくば)
【優秀賞】
▽TOKYO X生産組合(東京都八王子市、JA八王子)
▽JAならけんハウス柿部会(奈良県五條市、JAならけん)
▽観音池ポーク出荷組合(宮崎県都城市、JA都城)
★食の架け橋の部
【特別賞】
▽小川作小屋村運営協議会(宮崎県児湯郡)
【優秀賞】
▽人と種をつなぐ会津伝統野菜(福島県河沼郡)
▽フレッシュ・クラブ(大阪府東大阪市)
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