第47回日本農業大賞決まる 北海道の佐藤農場など7件が大賞に2018年2月1日
JA全中とNHKが主催する第47回日本農業賞の「個別経営の部」「集団組織の部」「食の架け橋の部」の受賞者が決まり、1月31日に発表された。大賞と特別賞の表彰式は3月10日、東京都渋谷区のNHKホールで、また優秀賞の表彰式は各都道府県で行われる。
◎個別経営の部大賞(3件)
▽(株)佐藤農場(北海道雨竜郡妹背牛町、JA北いぶき)
▽(株)日光ストロベリーパーク(栃木県日光市、JAかみつが)
▽芳源マッシュルーム(株)(千葉県香取市、JAかとり)
佐藤農場は、家族経営による大規模化を経営理念に、水稲の移植栽培に加えて、直播栽培を導入することで60kgあたり全算入生産費約9000円という低コスト化や省力化を実現。また高い栽培技術によって地域トップの高収入・高品質な稲生産を行い、2500万円を超える高い農業所得を得ている点などが評価された。
日光ストロベリーパーク社は、優れた経営感覚と技術力が評価された。国内有数の観光地である日光と鬼怒川の中間点にある観光農業向きという地の利を活かすため、あえて冬の寒さに栽培が適さないイチゴに着目。地中加温装置などの導入を図るなどの工夫をこらし、平成20年に開園した観光いちご園「日光ストロベリーパーク」は現在、リピーターも含めて年間4万5000人の来場者があり、2500万円から3500万円の高収益をあげている。同社の成功は地域内の農業活性化にもつながっている。
芳源マッシュルーム社は、一戸のマッシュルーム生産農家からスタートして50余年の間、さまざまな状況変化に対応、その過程で培った優れた経営判断をもとに現在、生食用マッシュルームで国内生産の約3分の1を誇る年商22億円の企業を一代で築きあげた点が評価された。
◎集団組織部の大賞(3件)
▽農事組合法人みらいす青生(宮城県遠田郡美里町、JAみどりの)
▽JA豊橋トマト部会(愛知県豊橋市、JA豊橋)
▽びほく農協ぶどう生産部会(岡山県高梁市、中山喜祐部会長、JAびほく)
みらいす青生は「ライスを基盤に地域の未来を明るくしよう」を経営のモットーとする。。青生地区の積極的な担い手28戸による集落営農集団。経営面積97haで、地域内の農地の80%以上を集積している。計画的なブロックローテーションによる「稲作+畑作」の体系を整えるとともに、先進的な地下水制御システム(FOEAS)を導入、安定した作物の生産を可能とした。
さらに、トウモロコシや加工用のタマネギ、キャベツなどの高収益作物にも注力することで、女性や高齢者にも活躍の場を創出した点も高く評価された。
JA豊橋トマト部会は149戸の農家で構成。独自の養液栽培技術を地域の企業と連携しながら開発、改良を重ねた結果、現在、部会全体の3分の2に普及。部会全体の販売額を16年間で2倍に増やした。また、同部会は、40代、50代の層が厚く、後継者の確保率も高い。支部を越えた情報公開と技術の承継がスムーズに展開されていることなどが評価された。
びほく農協ぶどう生産部会は、高品質のぶどう「ピオーネ」(「天空の実り」として独自ブランド化)を生産している613人の組織。平成29年度に長年の目標であった13億5000万円の売り上げを達成した。品質のばらつきがないよう、色彩選別カメラの導入や独自のマニュアル「虎の巻」などにより、技術の高位平準化に努め、市場からの高い信頼を獲得。また後継者対策にも積極的に取り組んでいる姿勢も評価された。
◎食の架け橋の部大賞(1件)
▽プロジェクト粟(奈良県奈良市、三浦雅之代表)
伝統野菜の在来品種を発掘し、調査を行うNPO法人「清澄の村」、栽培する「五ヶ谷営農協議会」、収穫した野菜をレストランで提供し、加工品を開発・販売する(株)粟の3者が連携するプロジェクトで、地域を活性化しながら、景観を保存し、消費者に同地域特有の食文化を継承。
また、豆や里芋、生姜など40種類以上の「大和伝統野菜」を発掘・保存する活動は、行政とも連携、県内全域に広がりを見せている。さらに、奈良市と官民協働のカフェを運営するなど、食と農の積極的な情報発信の努力も高く評価された。
各部門の受賞者は以下の通り。
★個別経営の部
【大賞】
・(株)佐藤農場
・(株)日光ストロベリーパーク
・芳源マッシュルーム(株)
【特別賞】
・永井是充、永井由美(愛知県碧南市、JAあいち中央)
【優秀賞】
・黒臼秀之、黒臼吉恵(埼玉県さいたま市、JAさいたま)
・(有)グリーン(新潟県長岡市、JA越後さんとう)
・(株)野元牧場(長崎県壱岐市、JA壱岐市)
★集団組織の部
【大賞】
・農事組合法人みらいす青生
・JA豊橋トマト部会
・ひぼく農協ぶどう生産部会
【特別賞】
・JA石垣牛肥育部会(沖縄県石垣市、JAおきなわ)
【優秀賞】
・農事組合法人室岡営農組合(岩手県紫波郡矢巾町、JAいわて中央)
・JAふくしま未来 伊達地区モモ生産部会(福島県伊達市、JAふくしま未来)
・農事組合法人うもれ木の郷(山口県阿武郡阿武町、JAあぶらんど萩)
★食の架け橋の部
【大賞】
・プロジェクト粟
【特別賞】
・南保次(大阪府寝屋川市)
【優秀賞】
・農事組合法人さんぶ野菜ネットワーク(千葉県山武市)
・(有)安富牧場(岡山県岡山市)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(185)食料・農業・農村基本計画(27)麦に関するKPIと施策2026年3月21日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(102)ニコチン性アセチルコリン受容体競合的モジュレーター(4)【防除学習帖】第341回2026年3月21日 -
農薬の正しい使い方(75)細胞壁(セルロース)合成阻害剤【今さら聞けない営農情報】第341回2026年3月21日 -
FAO 国連食糧農業機構【イタリア通信】2026年3月21日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】平和と経済の関係 人権侵す戦争とは乖離2026年3月19日 -
3カ年計画の着実な実践へ 5つの重点取組事項 2026年度JA共済事業計画2026年3月19日 -
配合飼料供給価格 トン当たり約1250円値上げ 2026年4~6月期 JA全農2026年3月19日 -
「有機」「オーガニック」 内容知らない消費者6割強2026年3月19日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】米国大統領の"変貌" 日本外交も節目2026年3月19日 -
「備蓄米の機動的買い戻しを」 米価下落懸念し特別決議 米どころ山形のJA県中央会2026年3月19日 -
飲用に使われた桜とニセアカシアの花【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第381回2026年3月19日 -
加工食品におけるカーボンフットプリント(CFP)算定ガイドを改定 農水省2026年3月19日 -
「花がなくてもかまわない消費者」にどう向き合うか【花づくりの現場から 宇田明】第81回2026年3月19日 -
今年は5月10日「母の日プレゼントキャンペーン」開催 JAタウン2026年3月19日 -
TOKYO FMホリデースペシャル「春のうまいもの祭」JA全農提供の3番組がコラボ2026年3月19日 -
【役員人事】JA三井リース(4月1日付)2026年3月19日 -
【Jミルク26年度計画】脱粉削減拡充も 生乳需給安定へ検討2026年3月19日 -
第67回全国家の光大会レポート 記事活用、教育文化活動が力2026年3月19日 -
水稲など13品目に対応「土壌診断AI」開発 土壌管理の高度化と生産性向上に期待 農研機構2026年3月19日 -
北信地域の農業を支える新拠点「農機具王 長野中野店」4月1日オープン2026年3月19日


































