若い就農者に希望を 水害被災地の水戸 営農意欲の減退を懸念2019年10月24日
台風19号による大雨で氾濫した那珂川流域の水戸市でも大きな農業被害が発生した。10月20日、藤木眞也農水大臣政務官が現地を視察した。
10月12日伊豆半島に上陸し、関東と福島県を縦断した台風19号の大雨は東日本の各地で河川の氾濫による大きな被害をもたらした。茨城県の水戸地方でも那珂川の氾濫で、多くの田畑が冠水し、ネギや飼料用トウモロコシなどが泥を被った。その後も雨続きのなか、被災農家は復旧作業に追われているが、現場では「若い農業者が営農意欲を失わないよう復旧支援に力を入れて欲しい。長期的には、予想された大雨でダムや樋門の運用など、もっと現場の実情に応じた対応が必要」という声が聞かれた。
10月20日、水戸市内を流れる那珂川沿いの被災地を視察した藤木眞也・農水大臣政務官に対し、自身もハウスの大半が冠水したJAの水戸地区ねぎ生産部会の園部優部会長は「新規就農者を含め、若い農業者が頑張っている。彼らが農業に希望を失うことのないよう、1日でも早い復旧に全力を挙げて欲しい」と訴えた。
同部会のネギ「水戸の柔甘(やわらか)ねぎ」として昨年2月に地理的表示(GI)登録された品目で、新規就農者を含め21人の部会員がいる。部会員のハウスも冠水しており、園部さんは、こうした若い農業者が、被害によって生産意欲を失うことを心配する。
自宅の床上浸水で作業場や調整設備や機械が水を被った高齢の生産者もあり、まだネギの手入れには手が回らない状況。「部会としては、今までのように少しでもネギづくりを続けられるよう支援して欲しい」と訴えた。
今回の水害は、全国の被災地でダムの放流や、排水用の樋門・揚水ポンプの運用が問題になった。法律で決まってはいるものの、「現場の実情に合わせて、もっともベストな操作ができるよう検討して欲しい」と、現場の声を伝えた。
那珂川の氾濫は1986年にも記録されている。JA水戸の八木岡努組合長は「住民は何度も不安を感じていた。ダムや樋門を管理する国や地方自治体がばらばらでなく、連携して防災対策を徹底するよう要請する」と強調した。
(写真)藤木農水大臣政務官に被害状況を訴える生産者(水戸市岩根地区で)
(写真)
・ハウスの立て直しをするボランティア
・3日間の冠水で萎れたネギ
・ここまで来た。水位を示す堤防のゴミ
・ゴミや藁くずと一緒に押し流されたホールクロップサイレージ
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