人材集め就農者の定着へ 庄内発有機農業ブランド「SHONAI ROOTS」2019年11月6日
山形・庄内地方で、事業を通じて地域の課題を解決する街づくりを手掛けるヤマガタデザイン(山形県鶴岡市)は、地元JAと連携し、有機農業の新ブランド「SHONAI ROOTS(ショウナイルーツ)」を立ち上げた。販路開拓や流通でJAと連携し、鶴岡市がプロモーションの支援を行う。
太陽のような日の丸をイメージしたブランドパッケージの「SHONAI ROOTS」の農産物
山形県鶴岡市は、東北地方で2番目の農業産出額を誇るが、農業者の担い手不足が深刻な課題となっている。これまで市をあげて農業人材の育成、確保に向けたプロジェクトを推進し、全国的にも珍しい鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)を来年4月に設立するなどの取り組みを進めている。
同ブランドはこうした官民を挙げた人材育成・確保の取り組みの一貫として、付加価値の高い有機農産物等の販売を実現する体制を構築し、新規就農者の獲得と地域農業者の所得向上を目指す。
左からJA庄内たがわの黒井組合長、鶴岡市の皆川市長、ヤマガタデザインの山中代表、JA鶴岡園芸特産課の亀井課長
10月29日に鶴岡市役所で開かれた記者発表には、同社代表取締役の山中大介氏、鶴岡市役所の皆川治市長、JA庄内たがわの黒井徳雄代表理事組合長、JA鶴岡の亀井周作園芸特産課長が登場。山中氏は、「地域の農業者、JA、鶴岡市が幸せになる仕組みにしていきたい。また、収益の一部を鶴岡市農業経営者育成学校の運営費として還元する。このブランドの農産物を買うことで農業者が育成される循環を作っていきたい」と意気込みを語った。
また、JA庄内たがわの黒井組合長は「多種多様な栽培があってしかるべきで、JAとしては有機栽培可能な環境が作れるように協力していかなければいけない。また、有機農業をしていることをしっかりと発信することは宣伝効果も高い。新規就農者が増え、後継者が定着して営農できる環境づくりをJA庄内たがわ、JA鶴岡が連携して進めていく」とあいさつした。
鶴岡市は全国でも有数の有機農業の推進地域で、有機JASの認証機関が自治体に置かれているのは宮崎県の綾町と鶴岡市のみだという。皆川市長は「農業経営者育成学校とSHONAI ROOTSを通じて今後、人材の育成、定着、農産物のブランド化を推進していく計画。JA、鶴岡市が支援しながら、みんなが使えるブランドにしていきたい」と期待を込めた。
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