JA女性理事比率 10.5%-JA全中2021年1月5日
JA全中はこのほど女性のJA運営参画の現状についてまとめた。JA女性役員(理事・経営管理委員・監事)は対前年比53人増の1419人となった。

2019(平成31)年3月の第28回JA全国大会決議では女性参画目標を引き上げ、正組合員30%以上(従来目標25%)、総代15%以上(同10%以上)、理事等15%以上(同2名以上)とした。
令和元年度の全JA調査(令和2年4月1日現在)によると女性のJA運営参画に関する総合的な方針を策定しているJAの割合は68.8%で、対前年比2.4ポイント増だった。そのうち具体的な数値目標を設定しているJAの割合は正組合員目標で34.8%、総代で64.7%、理事・経営管理委員で91.5%で正組合員目標の設定がもっとも低くなっている。
数値目標を定めているJAのうち、正組合員と総代では「割合」を定めているJAが多い。平均は正組合員で20.0%、総代で10.9%となっている。一方、理事や経営管理委員では「人数」を定めているJAが多く、その目標の平均は4.3人となっている。
「女性枠」は「理事」については74.3%のJAが設定しているが、総代では34.8%にとどまっている。
第28回JA全国大会決議で掲げた目標達成状況のうち、正組合員30%以上達成JAは584JAのうち77JAで、13.2%となっている。女性正組合員比率は対前年比0.3ポイント増の22.7%となった。
総代15%以上達成JAは、総代会制度を導入している470JAのうち78JAで16.6%となっている。女性総代比率は同0.4ポイント増の9.8%となった。
女性役員15%以上達成JAは584JAのうち76JAで13.0%となった。JA女性役員は1419人で対前年比53人増となった。女性役員比率は9.1%で同0.7ポイント増となった。ただし、役員から監事を除くと役員比率は10.5%となる。
総代会制度を導入している470JAのうち、女性のJA運営参画3目標をすべて達成した「三冠JA」は8JAで前年より2JA増えた。三冠JAはJA松本ハイランド(長野)、JA蒲郡市(愛知)、JA大阪東部、JA兵庫六甲、JAわかやま、JA紀の里(和歌山)、JA紀南(同)、JA佐伯中央(広島)。
JAの女性管理職比率は年々増加しており、課長職以上の比率は9.42%と前年比0.26ポイント増となった。係長以上は18.6%、部長職以上は4.0%となった。
今回の調査ではJAグループ愛知の取り組みを取り上げている。全国では女性役員が53人増加したが県によってはJA合併によって大きく減少したところもある。そのなかで女性理事35人増、女性監事9人増と計44人増加した。愛知県下の女性役員比率は15.3%となっている。
JA愛知中央会では平成30年9月の中央会理事会で女性役員割合を15%以上として目標設定することを決めた。目標達成にあたって地域選出の女性理事の増加や地域選出理事定数の削減による女性理事枠の設定をJAに求めるなど具体的な役員選出方法の見直しも求めた。さらに令和2年6月改選で15%達成が難しい場合でも最低10%を達成するよう県下JAに働きかけた。こうした取り組みが大幅な女性役員の増加につながったとみられている。女性の参画によるJA運営のメリットは▽議論が活発になり理事会・会議が活性化した、▽慣例にとらわれない事業改革が実現、▽女性組織がJAに積極的に取り組むことでJAも活性化などが報告されている。JA全中は優良事例などを整理して具体的な女性参画の進めかたなどを啓発活動などが重要だとしている。
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