コロナ後の社会再建を JA・生協・労協の連携で 協同組合デーで中央集会2021年7月7日
7月第1週の土曜日の国際協同組合デーを記念し、日本協同組合連携機構(JCA)と協同組合フォーラムは7月5日、オンラインで中央集会を開いた。「コロナ後の社会の再建」をテーマに、労働者協同組合(ワーカーズコープ)などの取り組み報告とパネルディスカッションを行った。
配布資料表紙
第99回となる、国際協同組合同盟(ICA)の協同組合デーの共通テーマは「協同組合は、力を合わせて、コロナ後の社会の再建に貢献します」。ICAのアリエル・グアルコ会長は、中央集会にビデオメッセージを送り、「協同組合はコロナ後の時代に変化をもたらすことができる。この複雑な世界のなかに、公正な復興を実現するために、私たちはいま行動しなければならない」と訴えた。
またJCA会長の中家徹(JA全中会長)は、コロナ禍によって貧困・格差の実態が露わになったことを指摘し、「みんなで知恵を出し合い、助け合いによって、誰ひとり取り残さない持続可能な社会をめざそう」と、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む協同組合の役割を強調した。
集会では、昨年12月、法制化した労働者協同組合(ワーカーズコープ)について報告があった。ワーカーズコープは組合員が出資し、それぞれの意見を反映して事業を行い、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする協同組合だ。ワーカーズコープ連合会の古村伸広理事長は、基本原理の中で一人ひとりの「意見反映」をその核心として挙げ、また事業に従事することは、単に仕事に就くだけではなく、「どう働くか」がポイントだと指摘した。
また、一人ひとりの労働者を大切にする取り組みで、ワーカーズコープ連合会センター事業団ちば物流事業所の後藤正美所長は、コロナ感染者や障がい者、外国人労働者の身になって考え、差別がなく、安心して働ける職場づくりの経験を報告した。
このほか、コロナ禍のもと、電話訪問や防護服・エプロンづくり、リモート健康講座の開催などに取り組んだ富山医療生協の取り組み、地場産業支援について静岡県の浜松いわた信用金庫が報告した。
さらに北海道の農業・林業・水産の10団体による協同組合ネットをつくった協同組合ネット北海道が報告。同ネット事務局の高橋和則事務局長は、「コロナ禍が団結力の力になった。これを進化させ地域の課題解決にチャレンジしていく」と決意を話した。
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