集落があって農協がある 農事組合法人となん熊谷会長講演 新世紀JA研究会2024年11月6日
新世紀JA研究会は10月31日、11月1日の両日、東京都内のJA東京アグリパークで秋季セミナーを開いた。講演した農事組合法人となん(岩手県盛岡市)の熊谷健一会長理事は、自身の経験をもとに、集落・地域づくりの大切さを強調した。
講演する農事組合法人となんの熊谷健一会長理事
講演テーマは「『地域農業の再建』農水省とJA全中に期待する」。熊谷会長は、62年間農業をしてきたと自己紹介し、「集落があって農協がある。集落を粗末にした農業・農村の活性化はない」と切り出した。
1970年に旧飯岡農業で始めた集落ぐるみ農業から「農業機械銀行」設立。2005年には「都南地域営農組合」を発足させ、利用権を取得し農地集約を進めるための法人化(2013年)に至る経過をたどり、担い手育成、農地の維持管理、6次産業化など「農家が困っていることを事業化して解決する」法人となんの取り組みを説明した。
となんの課題は、人や農機具不足で委託農家の増加に受託が追い付かないことや、資材高騰、米価低迷、インボイス等で大規模受託者が農業機械銀行から離れつつある点を熊谷さんは挙げた。
都南地域の農業、農村活性化のため、市、JA、法人となん、農業委員会で毎月1回、都南地域農業振興会議を開いている。新規就農者支援では、3人が独立し2人が研修中。点在した農地を公平に交換することで効率化を図る農地交換システムの実証実験には受託者90人が参加している。
農政について「お国は何をしているか。農業を知らない人が法律や制度を作っている」。農協職員には「給料をもらっている以上、どこを向いて仕事をするか。農家を見なければ」と叱咤激励し、「日本農業の原点は家族農業であり、集落・地域づくりである」と語った。
関連記事
重要な記事
最新の記事
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「政見放送の中に溢れる排外主義の空恐ろしさ」2025年7月18日
-
【特殊報】クビアカツヤカミキリ 県内で初めて確認 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年7月18日
-
『令和の米騒動』とその狙い 一般財団法人食料安全保障推進財団専務理事 久保田治己氏2025年7月18日
-
主食用10万ha増 過去5年で最大に 飼料用米は半減 水田作付意向6月末2025年7月18日
-
全農 備蓄米の出荷済数量84% 7月17日現在2025年7月18日
-
令和6年度JA共済優績LA 総合優績・特別・通算の表彰対象者 JA共済連2025年7月18日
-
「農山漁村」インパクト創出ソリューション選定 マッチング希望の自治体を募集 農水省2025年7月18日
-
(444)農業機械の「スマホ化」が引き起こす懸念【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月18日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲害虫の防ぎ方「育苗箱処理と兼ねて」2025年7月18日
-
最新農機と実演を一堂に 農機展「パワフルアグリフェア」開催 JAグループ栃木2025年7月18日
-
倉敷アイビースクエアとコラボ ビアガーデンで県産夏野菜と桃太郎トマトのフェア JA全農おかやま2025年7月18日
-
「田んぼのがっこう」2025年度おむすびレンジャー茨城町会場を開催 いばらきコープとJA全農いばらき2025年7月18日
-
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を目指す 大分県推進協議会が総会 JA全農おおいた2025年7月18日
-
新潟市内の小学校と保育園でスイカの食育出前授業 JA新潟かがやきなど2025年7月18日
-
令和7年度「愛情福島」夏秋青果物販売対策会議を開催 JA全農福島2025年7月18日
-
「国産ももフェア」全農直営飲食店舗で18日から開催 JA全農2025年7月18日
-
果樹営農指導担当者情報交換会を開催 三重県園芸振興協会2025年7月18日
-
伊賀牛14頭が出品、最高値138万円で取引 第125回伊賀産肉牛共励会2025年7月18日