【現地レポート】「共同利用施設」が支える地域農業とこの国の食料 JA秋田おばこ六郷CE(1)2025年3月28日
JAのカントリーエレベーター(CE)をはじめとした「共同利用施設」は、農産物の生産、集荷、保管、流通を支える重要な施設であり、まさに地域農業の核としての役割を果たすだけではなく、国民への食料の安定供給を担う必要不可欠なインフラである。ここでは改めてJAのCEが果たしている役割を現地で取材するとともに、多くの施設で老朽化が進んでいる実態と、その整備、更新に向けて動き出した政策の課題などを整理する。
JA秋田おばこ六郷CE
「収穫は祭」全員総出で
JA秋田おばこ管内には11基のCEがある。このうち今回訪ねた六郷CEは300tのサイロ10基を備えており3000トン規模のCEとなっている。
出荷者は六郷地区が7割を占めるが、3割が地区外から。品種によるサイロへの集約など同JAは11基のCEをフルに利用するため、収穫期には管内の450haの面積を広域流通させているという。
春にはCE利用の申し込みを取りまとめ、収穫前に刈り取り希望日などを組合員から吸い上げ、9月上旬に荷受け計画として組合員にスケジュールを割り振る。
初荷受けは9月の初め。24年産米は9月11日からスタートした。例年、あきたこまち、サキホコレ、めんこいな、ゆめおばこの順に収穫されCEに出荷されてくる。
平時は主任オペレーターと臨時職員の2人で管理しているが、収穫期には職員の応援のほか、臨時職員を雇用し9月から10月のピーク時には20人以上が荷受け作業に携わる。
受付番号で荷受け
荷受けが始まると、六郷CEでは毎朝8時からその日の出荷者の受け付けを始める。出荷者は当日の刈り取り予定面積などを用紙に記入して、荷受けの「受け付け番号」が記入されたフレコンとそれを積み込む軽トラックに貼るマグネットパネルを受け取る。それらを持ち帰り、収穫作業後にCEに向かう。
荷受けは11時から。出荷者はCEに到着後、まずCE敷地内に設けられたもみ検査室でカメムシ被害や異物混入がないかなどのサンプル検査を受ける。その後、荷下ろしのフォークリフトによって受け付け番号順に敷地内に並べられていく。
そして順次、CEの荷受けホッパーへと搬送していく。すべて出荷者の受け付け番号で管理されている。
出荷者はCEから空のフレコンを借りて、稲刈りした後、フレコンに詰めてCEへ運搬するということを繰り返す。収穫後のもみを農家に滞留させずCEへ運ぶことによって品質事故などの防止につなげている。
また、この方式は過剰荷受けをあらかじめ避けることにも役立っている。朝8時からの受け付けで出荷者たちのその日の刈り取り予定面積を積み上げていけば、処理能力を超えるかどうかが分かる。同CEは一日約36ha分が受け入れの上限だという。そのため朝からの出荷申し込み受け付けで予定面積が上限を超えることが分かると、時間を決めてフレコンの貸し出しを停止する。もちろんいきなり停止したのでは出荷者たちの作業にも影響するため、たとえば「本日は午後2時でフレコンの貸し出しを終了します」などとちらしを作成し、出荷に来た農家に配布して知らせることにしている。
秋作業は団体戦
CE内の壁には「秋作業は団体戦! チームワークで作業事故・交通事故ゼロを達成しよう」とのスローガンが大きく貼られている。
事務所内には「秋作業6S活動の実施」が掲げられている。
①整理―不要なものは捨てる。
②整頓―必要な時に容易に取り出せるように。
③清掃―ゴミなし、汚れなし。
④清潔―整理、整頓、清掃の環境維持。
⑤躾(習慣)―決められたことの遵守。
⑥親切―思いやりのこころで職場内の人間関係を構築。
「食品を扱う」は当たり前の意識
どのCEでもこうした清掃や整頓など基本的な作業や衛生管理の心得などを決めて施設内に掲げているが、同CEで目を引いたのが多くは5Sだが6Sを掲げていることであり、その6番目を「親切」としていることである。
必要な工具を整理
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