家の光協会が第82回通常総会 『家の光』誌は2年連続で3万部以上の減に2025年6月23日
(一社)家の光協会は6月20日の第82回通常総会で、令和6(2024)年度の事業報告や業績、理事・監事の改選などの議案を承認した。『家の光』誌については、月平均部数が2年連続で3万部以上の減となったことが報告された。
あいさつを行う家の光協会の栗原前会長
栗原隆政前会長は、「全世代型食農教育を実践し、特に『家の光』による大人の食農教育に資する企画を充実させる。新たな普及活用活動として、食と農を基軸とした記事活用や文化活動によって、JAと組合員、地域住民との接点強化を目的に、各種講座を支援する動画コンテンツ『JAサテライトプラス』を令和8年度から開始予定であり、今年度はその準備期間とする」と、今後の方針を説明した。
来賓あいさつを行うJA全中の山野会長
来賓あいさつに立ったJA全中の山野徹会長は、「農業経営、JA経営が厳しい状況にある中で、食料安全保障の重要性が増している。農政推進には現場からの積み上げによるグループ一体の運動と、国民理解の醸成が重要である。今年度は大会決議実践の初年度であり、出版事業を通じた教育文化活動への一層の力添えを」と呼びかけた。
普及実績表彰
議事に先立ち、普及実績表彰が行われた。『家の光』『地上』『ちゃぐりん』三誌で目標を達成した都府県を代表して、5部門で目標達成した大阪府農業協同組合中央会の寺下三郎会長が、栗原会長から賞状を受け取った。
事業報告では、『家の光』は5月号でリニューアルを実施し、「対話運動強化!『家の光』普及活用運動」を展開。JA全中と連携した情報共有運動なども行った。しかし、月平均部数(12月号、1月号を除く)は31万99部と、前年度対比で3万4883部減少し、2年連続で3万部以上の減となった。
「食農教育をすすめる子ども雑誌」の『ちゃぐりん』は、創刊60周年記念号の8月号でお米をテーマにした特別企画や新連載もスタート。8月号の普及活用全国特別運動により、定期部数は10万2016部(前年比1320部増、前月比6万8646部増)と、2年連続で10万部を超えた。8月号を除く月平均部数は3万5146部(前年比185部減)。
頒布部数の減少が影響し、事業収益は合計で前期比1億7855万円減の36億8351万円。減収分の大半を占めたのは、頒布収入の1億7890万円減であった。さらに、テナント料の減収などが加わり、経常収益は2億240万円減の52億3178万円となった。経常費用は、部数減による頒布原価、発送費、普及販促費、普及宣伝費、前納奨励負担金がそれぞれ減少。経常費用合計は9741万円減の50億3810万円。これらにより、正味財産期末残高は1億8544万円増の272億9478万円となった。
なお、総会後の理事会で、代表理事会長には栗原隆政氏に代わって、前副理事長の伊藤清孝氏が就任。副理事長には国府田厚志氏、代表理事専務には木下春雄氏、常務理事には真鍋勝裕氏が、それぞれ選任された。
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