【TAC・出向く活動パワーアップ大会2025】除草剤活用で畜産と集落営農をつなぐ TAC部門優秀賞 JA本渡五和営農経済部 山下清弥さん2025年11月27日
TAC・出向く活動パワーアップ大会2025のTAC部門ではJA本渡五和営農経済部の山下清弥さんが優秀賞を受賞した。
JA本渡五和営農経済部指導販売課 山下清弥さん
天草地域は7つの集落営農組織が地域の担い手となっている。高齢化が進んでいるが、WCSなど家畜飼料を生産し、畜産経営体はたい肥を農地に還元する循環型農業が営まれている。
近年は夏の高温で集落営農組織では刈払機での除草作業が大きな負担となっていた。そこで省力化するために除草剤の使用を提案した。
しかし、養牛生産者は牛の安全のためには除草剤の使用は控えたいと考えており集落営農組合とは違いがあった。
そこで養牛生産者の理解を得るため牛の体重を減少させるなど悪影響を及ぼすサシバエ対策を目的に牛舎周辺の除草剤活用試験を実施した。サシバエは涼しい時間帯に活動し、日中は畜舎周辺の葉陰で休息する。そのため畜舎周辺の除草は行われているが、刈払機での除草のため雑草の再生が早く急峻な地形も多いため作業の危険性も高い。 熊本経済連やメーカーと協議を行い除草剤2剤の混合散布による省力除草の効果測定を行った。その結果、長期間の除草効果を確認できた。この結果をもとに経済連と全農と連携し、養牛生産者向けに除草剤についての理解醸成資料を作成し和牛部会を中心に情報提供と除草剤の活用を提案した。
また、集落営農組合での活用に向け、夏場の除草作業ゼロの防除体系を検討し構築した。新たな防除体系では冬場に除草剤の散布を組み込み、営農組合での冬の雇用を創出することにもなった。 今回実施した試験では除草剤散布区域では2週間後に十分な効果が現われ雑草がしっかり抑えられた。一方、刈払機で除草した区域では草が再生しもう一度草刈りが必要だった。除草剤の散布によってサシバエの個体数が94%減少した。
生産者からは「除草剤について正しい理解を広めることができた」との声をいただいた。とくに急峻な畦では除草剤は使えないとの考えていた生産者が多かったが、ザクサとダイロンの混合散布によって省力的で安全に作業できるという理解が広まったことは産地にとって重要なことだ。
生産者への説明だけでなくJAとしてキャンペーン価格で供給することで安価に提供することができた。また、価格が高騰した薬剤を使用していた生産者も多かったため担い手のコスト削減にもつながった。
集落営農組合では真夏の除草作業が実際にゼロとなり、人件費の削減につながり、キャンペーンによる安価な薬剤提供で経営改善にも寄与できた。真夏の作業の省力化で受託面積の維持・拡大にも寄与できている。和牛青年部や生産部会での共同作業の提案による生産力の向上にもつながった。作業の省力化を普及して地域の各となる集落営農組合と畜産生産者をサポートしていく。
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