【JA全青協 北川敏匡会長インタビュー】盟友の意思結集 青年の情熱社会に発信2026年2月18日
JA全青協議会は2月18日、19日の2日間、東京都内で第72回JA全国青年大会を開く。スローガンは「咲き誇る 青年の情熱と協同の力~さあ、みんなでやってみよう!~」。大会を前に北川敏匡会長に大会への思いなどを聞いた。聞き手は小松泰信岡山大名誉教授。
JA全青協 北川敏匡会長
小松 第72回JA全国青年大会は「咲き誇る 青年の情熱と協同の力~さあ、みんなでやってみよう!~」がスローガンです。まずこのスローガンに込められた思いを聞かせていただけますか。
北川 私たちは会議やイベントの前には毎回、JA青年組織綱領の唱和をやっていますが、その前文のなかに「誇り高き青年の情熱と協同の力」という文言があります。情熱にあふれた行動力を結集して、未来を花咲かせましょうということで、誇りの部分を「咲き誇る」としました。
サブスローガンの「さあ、みんなでやってみよう!」は情熱のある人だけが取り組むのではなく、みんなが主役であり少しだけでも踏み出してみよう、という意味を込めました。自分だけではなく周りには仲間がいる。自分だけでは難しいなと思った時に、この言葉で目覚めてほしいという意味もあります。全国の盟友の思っていることを詰め込めたかなと思っています。
小松 みんなの思いを秘めながら2日間の大会をやり抜くというエネルギーが感じられます。
北川 大会には1000人以上が集まりますが、わざわざ集まることにどんな意味があるのかということに盟友には気づいてほしいです。我々の意思の結集でもあり、お互いの情報交換でもあります。
さらに私は外側に対してのメッセージの発信でもあると思っています。来賓としてお越しいただく方で会場に集まった1000人以上の盟友を目にしてどきっとしない人はいないと思います。今この時代だから、我々が動かなければいけないんだということを、その数で意思表明している場だということです。これにも気づいてほしい。
小松 私も毎回、こんなに元気な若手農業者がいるんだと思います。
北川 実は、今年は圧倒的動員、ということもテーマにしていて、我々の意思で動員を図ろうと言ってきました。参加というと第三者的な感じがしますが、これは自分たちの大会ですから動員であり、そこに集まるとはどういうことかを考えてほしいという思いです。
小松 そういう思いを実現するには任期1年では短くないですか。
北川 農業者、組織ともに高齢化してきていますが、大事なことは代謝だと思っています。下の世代が入ってきて上を押し出すぐらいの、そういう循環がないといけない。私の立場をどんどん多くの人にやってもらいたいという思いがあります。
小松泰信 岡山大名誉教授
小松 ところで北川会長が農業やJA青年組織に関わるようになった経緯は?
北川 父親は兼業農家でした。米づくりをしていましたが年でもうしんどいな、と。私は大学を卒業して医薬品メーカーに勤めていましたが、儲かる農業ってできないものかな、ちょっと試してみよう、というのがきっかけです。それでいくつかの農業法人に就労して研修を受けたうえで独立しました。
JA青年組織については、最初は正直よく分かりませんでしたが、自分なりに噛み砕いて、これは大人の農業クラブだと理解しました。活動については全国の盟友からヒントをもらって取り組んできました。そのなかで人が集まって何かことを起こそう、あるいは仲間を一人にしないといったことがJA青年組織に根付いているということが確認できました。要請活動でも外野としてストレートなことを言えることも分かったので意義があると思いました。
とくにJA全青協の理事になった2022年に先輩から言われたことは3つです。仲間づくり、JA運営への積極的な参加、政策提言です。なるほどと腑に落ちました。
小松 JA青年組織に関わるようになってJAに対する見方で変わったことはありますか。
北川 JAグループの全体像が分かるようになったことと、「農業協同組合」を作っているのは私たちだ、ということです。協同組合って何だ?というところから始まるわけですが、株式会社とは違うということを整理できたのでJAに対する見方が変わりました。
よく農家は地元のJAが動いてくれないから自分で販路を見つけるなどと言いますが、私はJAは自分たちの組織なのだからと、JA出荷にこだわり9割以上は出荷しています。農業経営をおこなううえで難しかったのは販売先の開拓と代金回収、運送でしたが、JAの職員はプロで販売先の開拓もしていますから、JAにやってもらうおうと。あるいは要望を話して努力をしてもらう。自分たちの組織なんですから。
小松 ところで農政活動の面ではこの一年は自民党の委員会で意見を述べるなどの活動もしていると聞いています。
北川 若い農業者の意見を聞きたいから、ということでした。私が思ったのは法律や制度を作るうえで、いろいろな議論を党内でやっているんだなということです。我々にとっても法律や制度につながる発言ができるということは強みになると感じました。
ただ、農政は農家のための政策ではなくて、国民に食を十分供給するための政策とだと思います。農家が儲けるための政策だと履き違えてしまうことがないようにしなければならないと改めて思いました。
国としてどういう方向をめざすか、そして我々はこういう政策であれば国民のための食料供給を頑張れる、といった投げかけをする必要があるだろうということです。
小松 私は自民党以外の政党とも話すことが求められるのではないかと思っています。その意味でポリシーブック活動は意義があります。
北川 県レベルではすべての政党に要請活動、地域では全議員を回ってポリシーブックを渡しているといったところもあります。昨年はJA全青協のポリシーブック担当でした。ポリシーブックは自分たちの活動指針です。
政治や行政への要請活動だけに使うものではなくて、自分たちが何をするかを記しているなかに要請活動があるということです。ポリシーブックには自分たちの思っていることとこれから進みたい先をもとに、課題と解決策が整理されています。現場ではどんどん活動に落とし込んでもらいたいです。
小松 この機会にぜひ言いたいということがあれば話してください。
北川 日本に住むすべての人に言いたいことですが、日本の食文化は農業を通じて発展した部分も結構あると思います。それがおろそかになってしまうと、日本という国は潰れてしまいます。今、必死に歯を食いしばって農業をやっている若者がいますので、ぜひ目を向けてほしいです。
日本に根づいたいいものはいっぱいあるはずですから、食事を楽しんで、若い農業者が作ってくれたんだと思い浮かべてくれたら、素晴らしいし、そういう国であってほしいと思っています。
小松 その点で言えば北川会長は和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことに違和感があるとか。
北川 そうなんです。あの和食とは、どうしても割烹料理、コース料理など高尚な料理に焦点が当たってしまったのではないかと思っています。おばあちゃんや母、妻が、日々作ってくれる料理も含めてこそ、和食ではないかという点で違和感です。
本来、注目すべきは日々の料理ではないかと思いました。おにぎりや弁当、味噌汁などが発信されるようになったこともよかったと思いますが、ご飯と味噌汁、そして何かのおかずがあって、日本人は生きてきたし、生きていける。その食材を我々若い農業者も頑張って生産している。ここをもっと見てもらいたいと思っています。
【インタビューを終えて】
さすが学生時代に軽音楽部でドラムなどを担当していただけのことはある。軽やかなノリの中に個性的なアドリブも入り、もっと話していたい、という気にさせてくれました。来賓各位に盟友の「情熱と協同の力」を感じてもらおうと、「圧倒的動員」が今大会の裏テーマのようです。「任期1年は短いのでは」という質問には、「大事なことは代謝」と即答。一日も早く、JAグループの新陳代謝の推進役となって欲しい、と思った次第です。(小松)
重要な記事
最新の記事
-
国産大豆の物流に新スキーム 産地支え流通円滑化へ、全農と相模屋が連携2026年2月18日 -
最優秀賞にJAわかやま ありだ地域本部の伊藤大貴さん 第10回JA営農指導実践全国大会2026年2月18日 -
プルデンシャルは他山の石【小松泰信・地方の眼力】2026年2月18日 -
広島和牛「元就」など最大36%OFF「ぶったまげお肉市」開催中 JAタウン2026年2月18日 -
A5ランク「横濱ビーフ」極上すきしゃぶセットが登場 JAタウン2026年2月18日 -
三ヶ日青島みかん、いちごなど「しずおか『手しお屋』」で20%OFF JAタウン2026年2月18日 -
【人事異動】雪印メグミルク(3月1日付)2026年2月18日 -
【役員人事】共栄火災海上(3月31日付)2026年2月18日 -
【人事異動】ヤマタネ(4月1日付)2026年2月18日 -
【役員人事】ヤマタネ(4月1日付)2026年2月18日 -
長期貯蔵が可能 ポテトチップ用バレイショ新品種「しんせい」開発 農研機構2026年2月18日 -
【人事異動】共栄火災海上(3月31日付)2026年2月18日 -
長野県「佐久広域連合」と連携協力・協働に関する協定締結 おてつたび2026年2月18日 -
千葉県館山市の教室で茨城県のキュウリを収穫 次世代型食農教育を実施 AGRIST2026年2月18日 -
ビーフン・フォー輸入量 2年連続で過去最高の輸入量に ケンミン食品2026年2月18日 -
農業機械の稲シブ・飼料・油汚れを効率除去「シブクリアエース」新発売 日本メカケミカル2026年2月18日 -
地域支援型農業と農福連携「みんなでつなぐ食と農のみらい」開催 千葉県四街道市2026年2月18日 -
脱炭素農業と「広野産米」ブランド化へ 福島県広野町と包括連携協定 フェイガー2026年2月18日 -
諏訪市で利用者のグループ活動報告会 アフタヌーンティーで交流 パルシステム山梨 長野2026年2月18日 -
国の食堂調達 GAP認証農産物が優先対象に グリーン購入法に明記 日本GAP協会2026年2月18日


































