JAの活動:パラグアイの日本人
【パラグアイの日本人[2]】国の経済支える大豆2013年4月4日
内陸国パラグアイ(以下パ国)の面積は日本の1.1倍、人口600万人。気候は亜熱帯性だが、冬には霜が降りる。
日本人の集団移住は戦前の1939年に始まり、太平洋戦争で中断、戦後54年に再開し、70年代まで計8000人が移住した。現在日本人は約6000人、1400世帯が在住している。うち農家はほぼ半数。各移住地ではパ国の協同組合法に基づいた農協が組織されている。主な農産物は、夏の大豆と冬の小麦、他にトウモロコシなどがある。
パ国の大豆や小麦は日本人の貢献が大きい。戦前、大豆は味噌、醤油、豆腐の原料として少量を栽培していた。戦後、高知県の入植者が南部のラパス移住地で、大豆はこの地域の土壌や気候に適していると判断し、栽培と普及に努める。
60年代、大豆は南米でほとんど知られていない。日本の2移住機関(半官半民で海協連と移住振興。合併し海外移住事業団から国際協力機構=JICA)は永年作物として、ラパス移住地では柑橘類と油桐(船底塗料の原料)、ピラポ移住地では油桐を指導。大豆は永年作物の株間に植えていた。
しかし、肝心の柑橘類は潰瘍病が流行し、パ国政府係官が全て伐採。油桐は価格が暴落する。移住機関の指導は早くも挫折し、移住者の夢は断たれた。大豆の普及は移住機関の指導でなく、移住者自身の暗中模索による。
現在、パ国の大豆生産量は750万tで世界第6位(全世界の3%。1位は米国34%、2位ブラジル28%、以下アルゼンチン、中国、インド)。輸出は米国、ブラジル、アルゼンチンに次いで第4位。南米で最も遅れた途上国で、大豆は主力産品となり、パ国経済を潤している。
(写真)
首都アスンシオン近郊にある日系農協中央会事務所
(食と農・環境ジャーナリスト(家の光協会OB 若槻武行)
(つづく=第3回はコチラから)
【短期連載:南米パラグアイの日本人移住者】
重要な記事
最新の記事
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日
-
「もしもFES名古屋2024」名古屋・栄で開催 こくみん共済coop2024年4月26日
-
農水省『全国版畜産クラウド』とデータ連携 ファームノート2024年4月26日
-
土日が多い曜日まわり、歓送迎会需要増で売上堅調 外食産業市場動向調査3月度2024年4月26日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2024年4月26日
-
淡路島産新たまねぎ使用「たまねぎバーガー」関西・四国で限定販売 モスバーガー2024年4月26日