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JAの活動:農業新時代 なくてはならないJAめざして

【座談会・JA大会踏まえ】食料自給・環境保全に自信を(1)2019年3月28日

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・農業に誇り、国民にアピールSDGs契機に対外活動強化
【出席者】
・JAたじま代表理事組合長尾崎市朗氏
・JA全中教育部教育企画課長田村政司氏
・文芸アナリスト大金義昭氏

尾崎市朗氏の「崎」は正式には異体字です。

 第28回のJA全国大会が終わり、これからのJAが進むべき方向を確認した。特に今年度は5月のJA自己改革集中推進期間の期限、9月のJA全中の一般社団法人化など、JA組織にとって歴史的転換とも言える課題を抱えている。JA兵庫中央会の農政部長などを経て、現在JAたじまの組合長・尾崎市朗氏とJA全中教育部教育企画課長・田村政司氏、それに進行役を兼ねて文芸アナリストの大金義昭氏に、JA全国大会を受ける形で「農協運動への思い」を語ってもらった。

JAたじま代表理事組合長 尾﨑市朗氏.JPG 大金 2019年は、農業やJAにとって記憶に残る年になるのではないでしょうか。先月にJA全国大会が開かれ、5月には期限付きのJA改革集中推進期間が終了、7月の参議院選、9月にはJA全中の一般社団法人化があり、またTPP11が昨年暮れに、本年2月には日欧EPAが発効、さらには日米貿易交渉も始まるなど、JAが農業協同組合として次の時代にどう生き延びるかが問われる1年になりそうです。JAは「家族農業と地域社会を守る守護神」です。いま本気にならずに、いつ本気になるのかという思いもあります。そうした渦中にあって、JA全中の次代を担う世代の田村さんにも加わっていただき、尾崎さんのお話を伺いたいと思います。最初に尾崎さんからJA運動に身をおくようになった経緯を話してください。

(写真)JAたじま代表理事組合長 尾崎市朗氏

 

 尾崎 生まれは農家の長男で、父親から「将来、必ず農業が見直される時代が来る」と言われて、大学は農学部を選びました。卒業後、地元の農協で働きたいと思いましたが、採用枠がないと言うことで、中央会を奨められ受験しました。一般の会社よりは何らかの形で農協の仕事をしたいという思いがありました。
 中央会にいた若いころ、灘神戸生協など生協の職員や大学の研究者などとの研究会があり、そこで協同組合の原理や運動について学び、協同組合人として鍛えられました。その後、日本協同組合学会が発足。これにも顔を出し、漁協や森林組合との交流もありました。1983(昭和58)年には兵庫県協同組合連絡協議会の設立に関わり、機関誌の発行も担当しました。中央会では農政・営農の仕事が中心で、昭和50年代からの農政にはほとんど関わってきました。

  

 大金 中央会職員の立場から、JAについてはどのようにご覧になっていましたか。

 

 尾崎 若いころ、現在JA兵庫六甲管内の三田市農協に1年出向しています。農協の仕事内容は分かっていましたが、三田市農協の生産者は極めて活発で、販売実績もすばらしいものでした、生産部会や農家の自主性を引き出すことが、いかに農協の実績に繋がるかということで貴重な経験でした。いま、JAたじまでも、職員には部会の自主性を大事にするようにと、常に話していますが、それには職員と組合員との意思疎通ができなければなりません。

 

◆改革は不断の挑戦で

 大金 中央会の仕事で、特に印象に残っている点は。

 

 尾崎 昭和50年代は手応えのある期間でした。米価もほぼ要求通り実現しています。中曽根内閣の昭和61(1986)年から米価が下り坂になり、その後、JA全中の農政運動のスタンスは外圧抵抗に切り替わりました。ガットウルグアイランドで細川内閣がMA米の輸入を受け入れたときも、その直前までいろいろ反対運動を展開しましたが、農協としてはやるべきことはやったという実感がありました。

 

 大金 農畜産物の総自由化時代に突入し、JAグループはTPP反対運動などを幅広く展開してきましたが、これが契機となり、「農協改革」という名の権力的なJAバッシングが強まりました。いわゆる「内憂外患」を払しょくするためにも、今回の大会は重要な機会でしたが、対外的な運動面での主張が希薄だったように感じます。大会決議を実践の場で今後どのように生かすか、議案審議に加わった尾崎さんの決意などをお聞かせください。

 

 尾崎 平成26(2014)年6月の閣議決定で、5年後の今年5月末までをJA改革集中推進期間としていますが、改革は不断に行うもので、期限があるものではありません。大会決議の3つの目標である「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」は当然のことです。JAたじまでも10年、20年改革を続けてきています。今大会では、改革を持続するため経営基盤の確立を掲げました。これが非常に重要です。信用・共済事業の収支が厳しい中で、経営基盤をしっかりさせないと、3つの目標などはとても達成できません。

 

 大金 大会は「農業・農村の危機」「組織・事業・経営の危機」「協同組合の危機」を「3つの危機」として捉え、ピンチをチャンスにする構えや決意を言明していますよね。

 

 田村 現在の農協経営は、農業生産の拡大と農業所得の向上をこれまで以上に強化する一方、公認会計士監査、減損会計への対応が求められるなど、アクセルとブレーキを一緒に踏み込むような状況です。経営者の手腕が問われる時代だと思います。支店や営農経済拠点の統廃合など、構造改革は痛みが伴います。今回の大会を契機に組合員ともう一度しっかり向き合い、その先にある明るい未来を示し、組合員、役職員が共に一体となって困難な壁を乗り越えなければなりません。また、JAをとりまく環境は大きく変化しています。各JAで平成31(2019)年度からスタートする中期計画では、期中見直しをしながら、変化に機動的に対応していく必要があります。

 

 尾崎 兵庫県には14JAありますが、JAたじまは信用事業の労働生産性が低く、危機感を持っています。40店舗を24店舗にするなど合理化を進めますが、赤字部門となっている購買事業などは、全農改革で抜本的な体制整備しないと、組合員に十分な貢献ができなくなります。これからの3年、このことが重要です。

 

 大金 「痛み」は希望があってこそ耐えられます。JAは組織・事業・経営のあり方をさらに検証し、JAを補完する連合会にはその機能を大いに発揮していただきたい。そうした努力の先に食料自給率の向上や農業の多面的機能などが見えてくるような展開が求められますよね。しかし、JAグループはいま、内向きで縮み志向に見えます。本紙大会特集号の田代洋一さんの指摘(第2374号)は、その点で明晰でした。自給率の向上や多面的機能などの国民的関心事に、自信と確信をもってリンクさせてほしい。

 

 尾崎 農業に競争力を、という成長戦略の政府の考えに半分迎合し、半分流されているように感じます。農協は経営体であり、運動体でもあるんです。本来、協同組合は社会運動としてスタートしたものです。国民に向けて運動として主張すべきは主張すべきだと思います。

 

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