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【座談会・JA大会踏まえ】食料自給・環境保全に自信を(2)2019年3月28日

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【座談会出席者】
・JAたじま代表理事組合長尾崎市朗氏
・JA全中教育部教育企画課長田村政司氏
・文芸アナリスト大金義昭氏

尾崎市朗氏の「崎」は正式には異体字です。

◆コウノトリが励みに

文芸アナリスト 大金義昭氏.JPG 大金 JAたじまは「コウノトリ育むお米」などで環境保全型の農業に挑戦し、その積極的な取り組みが全国に知られ、共感を呼んでいますね。

(写真)文芸アナリスト 大金義昭氏 大金

 

 尾崎 全国に散っていくコウノトリが、なぜ再び但馬に帰ってくるのでしょうか。それは環境がいいからです。その話を聞いた人は環境のよい地域を大事にしたい、そこの農産物を食べたいと考えるようになり、環境を守ることへの共感が広がります。このように国民が求める取り組みを全国的に展開するための、運動を提起するべきだと思います。今回の大会ではその辺のことにちょっとふれていますが、十分ではありません。「農業所得の増大」では消費者の共感は得られないでしょう。もっと工夫が必要だと感じましたね。

 

 大金 残念ながら、政府は農業や環境の問題で世界の潮流に逆行しています。国連の「小農宣言」採択にも棄権しました。JAたじまは地域農業や環境を守る取り組みを、安全で安心な食料を確保するという国民のニーズと積極果敢にリンクさせていますね。

 

 田村 「農協改革」で政府が言うのは、「農業所得の増大」ですが、農協はそれだけでく、農家組合員の暮らしをサポートし、安心して暮らせるようにするのも大切な使命です。JAグループは食料の自給、環境保全など、協同組合として高い理想と明確な旗を立てて進むべきだと思います。

 

 大金 JAたじまの「コウノトリ育むお米」などの取り組み経過や現状、輸出を含め、これからの展望などをお聞かせください。

 

 尾崎 平成20(2008)年からの中期計画のスローガンに「たじまに生きる たじまを活かす」を掲げました。地域限定の組織として、これが理念的な原点です。但馬の何を活かすか。そうだコウノトリだとなったのです。コウノトリが絶滅から復帰できるようになった環境で栽培される「コウノトリ育む米」を販売し、農家所得のアップと地域の活性化につなげようと、これまで懸命に取り組んできました。
 もともと、JAたじまは30数年前からコープこうべとのつきあいで環境保全型農業の歴史があります。生協の「オルタナティブフードプラン」の提案で、化学肥料の窒素は使わないようにとの注文でした。その延長線上に「コウノトリ育むお米」があるんです。減農薬米でも漁毒性の少ない除草剤のみで、殺菌・殺虫剤は使いません。
 生産者が増え、2005年の直販米の専門部署を設けました。取引は3万袋から、今は11万袋になり、全国500店舗以上で販売しています。高価格で買い取り、高価格で販売というのは、今の時代には厳しい条件ですが、きちんと話をすると、買い手も「安全のため、それなら仕方ない」と受け止めてもらえます。これは海外も同じです。コープこうべとは、有機JASの野菜も作っています。環境に負荷をかけないモノづくりをさらに強化していく考えです。

 

 大金 「コウノトリ育む米」は生協との長いつきあいがあって実現したんですね。

 

 尾崎 量販店なども熱心に応援していただいています。「わけあり」なので、消費者に現地に直接来てもらうのがもっとも効果があります。農作業体験で田植えしているとき、コウノトリが田んぼに舞い降りると、一番納得してもらえます。全国で始めて、インターネットの「楽天」に載せ、当初数十万円だった売り上げが2011年から爆発的に伸びて1800万円に、そして2年前約2500万円、昨年が5400万円で今年は6000万円以上です。
 中東のドバイで「コウノトリ育む米」を売った時、第3者認証が欲しいといわれ、主食用米のグローバルGAP認証も昨年、全国のJAで最初にとりました。GAPについては東京オリンピック開催が決まった時に調べ、食材を提供するにはGAPが必要だと知りました。そこでJAとして認証を取得しようと考え、若手の生産者に呼びかけました。
 カントリーエレベータも販売先のニーズに合わせて細分化できるようにしました。「蛇紋岩米」(じゃもんがんまい)とか、日本海の松葉ガニの殻を肥料にした米とか、19アイテムものニーズがあります。それぞれ区分処理できるようにしました。日本では初めでではないでしょうか。

 

 田村 いい考えがあっても実行するのは大変で、農家の合意を得ることが欠かせないと思いますが。

 

 尾崎 その通りです。だが、励ましてくれるのは他ならぬコウノトリそのものです。餌が多い田んぼにちゃんと舞い降りてくれます。但馬の水田も半分はJAの苗を使っており、契約栽培などかなりコントロールできる状況にあります。全体に自然環境がよくなっており、コウノトリは慣行農法の田んぼにも舞い降ります。おのずと全体の米の評価が上がっています。

 

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