JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
特集テーマの幅を広く【ヒント&ピント~JAの広報誌から】2021年3月20日
広報誌の「売り」は毎号の「特集」にあり、何をテーマに選ぶかがポイントになる。広報担当者は、いま新年度の編集計画に知恵を絞っているところだと思うが、今回は農業から離れ、ちょっと異色の「フィンガーフード」と「甲子園球児」をテーマにしたJAと、これからの「新しい農業」の方向を示唆するスマート農業を取り上げたJA広報誌を紹介する。
食卓を彩るフィンガーフード
JA福岡市「Jam」(福岡県)
コロナ禍のなか、「おうち時間」の充実にと、フィンガーフードを紹介している。フィンガーフードとは名前の通り、指でつまんで食べられるひと口サイズの料理のこと。人の五感は視覚が第一で、色合いや形の美しさが味覚を大きく左右する。
「ニューノーマル(新しい常態)の〝今〟こそ楽しむ!」のタイトルが興味を引く。福岡県初のフィンガーフードインストラクターが数種類〝作品〟の作り方を、写真入りで丁寧に説明。単調になりがちな料理や食事に一味違った雰囲気が出せる。紙面づくりにとってもニューノーマルだ。特に女性読者の関心を引きそうなテーマ設定がよい。
ワンチャンスのヒット
JA島原雲仙「こぶれ」(長崎県)
地元の高校にとってもだが、広報誌にとっても、こんな機会はまずない。人口5000人ほどの小さな島の高校が春のセンバツ高校野球大会に初出場する。主将の秋山章一郎君はJA組合員の和牛農家の子息で、6歳のとき和牛共進会に牛を引いて出場したほどの「和牛青年」。「こぶれ」は、この秋山君を紹介する。
地元紙などでも取り上げられているが、JAの広報誌にもこういう話題があると紙面が活気づく。写真も紙面のレイアウトもよく、読み易い。組合員の次世代対策が課題になっている今日、組合員の後継ぎに焦点を据えた連載ものも面白いのではないか。
最先端技術 さらに続報を
JA尾張中央「ふれあい」(愛知県)
いま、注目の「スマート農業」を取り上げ、その背景と今後の可能性について紹介している。背景として基幹的農業従事者の減少を挙げ、スマート農業の効果として、作業の自動化、情報共有の簡易化、データの活用の3つを指摘。その上で、具体例として自動草刈りロボット、ドローンによる農薬・肥料散布、ほ場・施設環境モニタリング、営農支援アプリを挙げている。
JA尾張中央は来年度から、請負いによる水田での農薬散布を計画しており、この特集は、いわばその予告編。稲穂の広がる水田でドローンが散布しているイメージ写真を大きく使い、目を引く。JAの具体的計画が決まれば、さらに詳しい続報が望まれるテーマだ。
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