JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JA兵庫六甲 北畑親昭代表理事組合長 「大きくなっても身近なJA」2015年11月4日
JAグループは10月15日の第27回JA全国大会で「創造的自己改革への挑戦」のスローガンのもと、「農業者の所得増大」と「農業生産の拡大」「地域の活性化」に全力を尽くすことを決議した。これらの課題を全国各地で地域特性に合わせて実践していくには、各JAトップ層のリーダーシップ発揮が期待される。そこで本紙では「今、農業協同組合がめざすこと」をテーマにJAトップ層の考え、思いを広く発信しJA運動と事業の発展に資すればと考えアンケートを実施した。
今回は、JA兵庫六甲の北畑親昭代表理事組合長のご意見を掲載する。
JA兵庫六甲
北畑親昭代表理事組合長
回答日:2015.9.28
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
当JAは「食と農を基軸に地域に根ざした活動を通じて地域社会に貢献する」という基本方針のもと、直売所「農協市場館」の設置やダイレクト販売、インショップ販売の実施、さらには購買事業改革の実践など、農家手取りの拡大に取り組むとともに、アンテナショップ(直売・金融店舗)の設置や移動販売車の導入等により、都市部の住民を強く意識した農業振興を図り、都市と農村、消費者と生産者の懸け橋としての役割発揮に努めている。
これからも強い地域農業づくりに向けて、まず第一に組合員・利用者の方々の声を重視することはもちろん、新鮮で美味しい農畜産物を地域の人々へ届け、組合員の大切な資産の運用・承継やくらしの相談にもお役に立つ、また週末には親子連れの方に「農」に触れ合う機会を提供するといったJA以外にはすることのできないサービスを通じて「地域になくてはならないJA」としての存在を確立していきたいと考えている。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
組合員後継者不足、農業の担い手不足、耕作放棄地の増加、次世代との関係希薄化等、課題は山積しているが、特に改正農協法への対応については、准組合員事業利用規制や理事の選出基準の見直し等、地域に根ざしたJAの活動が後退することのないよう体制を整えていかなければならない。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
平成26年9月より営農経済事業改革特別検討委員会を発足したが、その中で農地集積による大規模化や集落営農の促進、担い手育成支援、販売体制の強化等、今後5年先を見越し将来的に独り立ちできる農業、組合員・地域に支持される営農経済事業の構築に取り組んでいる。
また平成27年3月より「エリア戦略検討プロジェクト」を立ち上げたがその中では事業伸張だけでなく将来の理事選出対策や、准組合員との関わりについて等、農協改革で求められる課題に対し何ができるかということについても検討している。各エリアごとに地域性を活かして「攻め」と「守り」のメリハリをつけた将来戦略の立案を進めている。
【問4】問3に関連して、第27回JA全国大会議案では「9つの重点実施分野」を掲げています。このうち課題を解決し、貴JAがめざす姿を実現するために、もっとも重要と考えておられる事項を3つあげてください。また、その分野において、どんな取り組みを考えておられるのか、具体的内容をお書きください。
f=営農・経済事業への経営資源のシフト
(具体的取組内容)
今後5年先を見越し将来的に独り立ちできる農業、組合員・地域に支持される営農経済事業の構築
h=正・准組合員のメンバーシップ強化
(具体的取組内容)
理事の選出基準見直し問題への対応、組織基盤対策として新たな基礎組織活動の在り方検討
i=准組合員の「農」に基づくメンバーシップの強化
(具体的取組内容)
准組合員の事業利用規制問題への対応
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
当JAでは、これまでも農家手取りの拡大を最優先として事業活動に取り組み、地域活性化に貢献しようと努めてきた。
JA兵庫六甲は合併して15周年を迎えた。合併以来、「大きくなっても身近なJA」を合言葉に、組合員ひとり一人の願いの実現に向け、人と人のつながりを大切にし、協同活動の活性化に取り組んできた。
今後も、農業を基軸にしながら、地域貢献活動、生活文化活動などを活発化することにより、地域になくてはならないJAを確立し続けるよう取り組んでいきたい。
さらには、組合員・地域の懐に深く入り込みながら、地域の将来像を組合員とともに描き、支店・センターが組合員の拠り所なるよう取り組んでいきたい。
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