JAの活動:食料・農業・地域の未来を拓くJA新時代
地方創生に全力 JA全農の挑戦(3)2019年7月22日
都会と農村つなぐ農泊を事業化
◆「コト消費」で新たな関係を
さらに、JAグループのネットワークを活用して「農泊」の取り組みも支援する。イタリアをはじめ欧州ではすでに観光の一つの形態として定着している「アグリツーリズム」の日本版だ。美しい農村に宿泊し、農業体験や地元の食を通して外国人を含めた旅行者を招き入れることで地域の活性化をうながそうというものだ。
全農が農泊に期待するのは「コト消費」。田植えをしてみたい、りんごの収穫をしてみたい、自然の中で農業体験したいなどの"体験"を農泊で提供することで、農村での新たな消費や雇用が生まれ、地域と宿泊者の間に人間関係が生まれる。また、そこの農産物を通販で購入したり、農作業支援や就農のきっかけになるなどを期待している。
訪日客も右肩上がりで昨年の旅行消費額は4.5兆円とインバウンド市場はひとつの産業規模になっている。なかでも1兆3200億円と3割を占める宿泊料金を地方に誘導するのが農泊で、観光や農業体験というサービスの機能を提供する。
図6 JA全農の描く農泊と支援事業
◆都市と農村、行政の枠を超えて
また、「労働力支援」「農泊支援」に加え「農業体験提供」「空き家管理・活用」「誘客・販売支援」の5つのポイントを、暮らしの新たな支援事業として垣根を越えたプラットフォームの組み立てもめざす。
図7 地域活性化事業の総合プラットフォーム
取り組みの方向性としては、「農泊」事業モデルの構築により、農業体験などイベント開催、農泊の普及拡大のために空き家管理サービスの事業化も想定。また、ポータルサイト「農泊ネット」の運営により物件の登録、掲載や宿泊・農業体験の予約受付なども視野に入れている。
図8 JA全農の想い描く、農業(労働力支援)を核とした地方創生スキーム
JA全農が考えるのは、農業労働力支援を核としたさまざまな取り組みの相乗効果から生まれる「地方創生=地域の活性」である。こうした取り組みが実現するには各省庁をまたいだ仕組み作りも必要になる。
こうした事業の展開は、食料を供給する田舎と消費する都会の持ちつ持たれつの関係を互いに理解することにもつながり、それが生み出すものは経済効果だけではない。「農作業、農泊、安全安心な食と環境、エネルギーをキーワードに、都会から田舎へと人が循環する社会もめざしたい」(神出理事長)という。
図9 地方の生産者と都市の消費者をもっと近づける
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