JAの活動:新世紀JA研究会第1回全国特別セミナー 国民の食を守る役割を明確に
【意見交換】 新たな事業モデルを 「農業振興クラブ」を核に2019年9月18日
【白石・東京農大名誉教授】 今までの報告について相互に議論していきたいが、大きな論点は准組合員対策だと思う。この点について、まず全中から発言をお願いしたい。
【山田・JA全中JA改革推進課長】ちょっと今の段階では発言しづらいが、中期的に見て大きな方向性は出していきたい。その際、今回の新世紀JA研究会の荒川報告は参考にさせてもらいたい。今の全中の方針は、准組合員を農の応援団、JA運動への参加・参画を求めるものだが、荒川報告では、これをさらに進めて、准組合員を食と農の面で組織化し、意思反映も行うとしている。
問題はこれをどのように実践できるかだ。提案されている「農業振興クラブ」も現実にどの程度のJAで実践できるのか。
「旬みっけ」のアプリも提供しているが、地元のJAがどの程度の情報発信をしているかが重要になる。これがないと組合員にまで刺さっていかない。JAの情報発信ができていない中で、これをどう進めるかがポイントになる。しかし、方向性としては重要なので大いに参考にしたい。
【白石】荒川報告は食料・農業・農村基本法を踏まえた准組合員対策の方向を示している。いくつかの案を提案して議論していくべきではないか。
【福間・新世紀JA研究会常勤幹事】こうした問題に限らず、内容を一番知っているのは全中だ。難しい問題について、皆さんどうしましょうかでは運動にならないし、組合員は戸惑うばかりではないか。
内容を知っている全中が、理屈に基づいた政策を明確に打ち出してそれに基づいて議論を進めていくべきだ。准組合員は制度として与えられているものであり、この制度を今後どのように運用するかの方針を出していくのは中央会の役割だ。
准組合員といった重要問題を自民党に丸投げして解決を図ろうとするのはまちがっており、地域インフラ論で既得権益を守ろうとするのは無理がある。自分のことは自分で考えなければならない。それには、新たな理論構築が重要だ。中期的課題というとらえ方では間に合わない。
【下田・JAセレサ川崎組合員総合対策室長】今回研究会で検討された「准組合員の位置づけ」は非常に重要な問題だ。今後、これによって大きな影響が出てくる。
「位置づけ」についてまとめていただいたのは大きな意義があり感謝している。一方で、農業振興クラブなど踏み込んだ対策を進めることは困難なのが実情だ。
というのは、昨年はじめての200名参加の座談会や1000名対象のアンケートなどやり、情報誌も発行しているが、准組合員の皆さんの関心・理解は高くない。
准組合員の皆さんがJAに対して自ら何をやればいいのか、どのようにかかわりを持てばいいのかわからない。したがって、JAからもっともっと働き掛けを強化しなければならないのが現状だ。
【寺田・JAあいち豊田常務】新世紀JA研究会の小委員会に参加し、JAでも議論をしてきた。これまで、JAは員外利用対策として准組合員加入を進めてきたが、欠如していたのは准組合員のニーズ・メリットはどこにあるかを追求してこなかったことにある。今後このマッチングが必要だ。15:06:05
当JAでは信用事業で農業応援チケットを発行し、定期貯金30万円に対して金利のほか、300円の直売所等で利用できる金券を発行している。
【三瓶・JAはだの改革推進室長】今後は具体的な推進が必要だが、JAによって地帯別・規模別など実態が異なるのでそれに対応した取り組みが必要だ。当JAでは、すでに「農業満喫クラブ」を結成するなど、コアの准組合員と農の関係を深めてきている。
【中原・協同組合懇話会顧問】研究会で、准組合員問題をこれからのJAのビジネスモデルとして提起されたということで大変意義あることだと思う。方向は示されたので、実践はそれぞれのJAで工夫を凝らしてやっていくことが肝要だ。検討に加わった者として自信を持っている。是非現場で実践してもらいたい。
【水谷・トーマツシニアマネージャー】准組合員の位置づけ等の対策を示していくことは重要だが、問題は准組合員の中身だ。こうした内容に賛同する准組合員がどれだけいるのか。それが整理されれば事態は進んでいくのではないか。
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【新世紀JA研究会第1回全国特別セミナー 国民の食を守る役割を明確に】
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