JAの活動:負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして
種苗はエッセンシャル・カテゴリー (株)サカタのタネ 坂田宏代表取締役社長(上)【負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして】2020年7月6日
食料確保に不可欠
JAと共に地域活性化も
新型コロナウイルス感染は大都市部で広がり、東京一極集中等人口の密集は社会全体にとってリスクが高く、分散型国土への転換や“コロナ後”を見据えた農村地域の振興も課題となっている。コロナ禍は、人の倫理観や死生観すらも浮き彫りにした。今こそ自らを、日本を、世界を、地球を、見直す絶好の機会だ。こうした中、JAは顧客のニーズに応じた園芸栽培や種苗センターを設立するなど種苗の取り扱いを強化する方向にあり、種苗会社との新たな連携を進めることが期待されている。そこで、(株)サカタのタネの坂田宏代表取締役社長に、種苗分野からみたコロナ禍の影響や農業が進むべき新たな道筋を聞いた。
(聞き手・加藤一郎千葉大学客員教授〈元全農代表理事専務〉)
坂田宏 代表取締役社長
◆ロックダウンでも営業
加藤 新型コロナウイルス感染拡大により、外出や県外への移動自粛が強く求められましたが、種苗会社にとって農業の生産現場との相談・サポート業務は事業の根幹と思いますが、どのような影響があり、どう対応されましたか。
坂田 新型コロナウイルスは全く想定外でした。ヒト・モノの移動はストップし、当社の経営理念でもある現場でのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションができなくなりました。2月末から出張は自粛。営業訪問や調査・栽培指導・巡回もすべてできなくなりました、いずれも現場での業務です。非常に影響が大きかったと思います。
このように活動が制約された一方、生産拠点を分散していたので生産ができなかったということはありませんでした。海外拠点も、本社の方針を伝えたうえで現地に判断権限を与え対応しました。今のところ、取り返しがつかないという状況ではありません。
加藤 サカタのタネは海外での事業比率も高いと思いますが、新型コロナウイルスに対する事業面での対応方法としてどのような違いがあり、わが国にも参考になることがありますか。
坂田 各国・地域それぞれ状況が異なりますし、南米・アフリカなどでこれから厳しい局面に入っていくのではないでしょうか。
海外では農業や種苗に対してエッセンシャル・カテゴリー(不可欠な分野)と位置付けられ、ロックダウン下でも経済・企業活動を継続することが許可された国もありました。すなわち食料にとって直結するものであり不可欠だということです。これは非常に大きく、我々にとっても重要なポイントとなります。
日本でも種苗に注目が集まっていますが、政府がエッセンシャル・カテゴリーと位置付けたわけではありません。農業全体の視点からみても、日本種苗協会等を通じて日本政府に同様の対応を求めています。
加藤 新型コロナウイルスで種苗販売が落ち込んだようなことはありませんか。
坂田 影響が出てくるのはこれからだと思います。3月末まではほとんど影響はみられませんでした。4月以降は影響が出てくると思いますから、問題は今期ということになります。
加藤 新型コロナウイルスの感染は都市部で広がり、人口の密集は社会全体にとってリスクが高いとの警鐘を鳴らしました。また、毎年被害が深刻化する自然災害は、国や人々の暮らしのあり方を問い直す好機だと思います。
持続可能な社会とは自然との共生を可能にする地域社会の活性化、また農村地域の活性化のために農業の重要性を再確認する必要があると思います。若い人が農業を営めることも重要ですし、担い手の高齢化が進む中で農業を見直す機会になればよいと感じています。こうした点について、坂田社長は現状をどうみておられますか。
◆種苗なくして農業なし
坂田 農業は国の根幹です。2016年にケニアでTICAD(アフリカ開発会議)が開かれた時も、アフリカの首脳は「国の発展は農業だ」と主張していました。食料に直結することですから当然のことだと思います。農業に対する見方も変わってきましたが、種がなければ農業は始まりません。
その意味でも種苗に注目が集まっています。今後この流れをどのような方向に持っていくべきか検討していくことが重要です。新型コロナウイルスは特定の産地、地域に影響が限定されるものではなく、国全体の問題です。そうした意味からも、今後の農業のあり方を検討していくべきだと思います。
加藤 私が全農に入ったころは、販売部門で事業分量が一番大きかったのは米穀でした。それが今では順序が逆転し、園芸が1位になり畜産がそれに次ぎ、3番目が米穀になりました。こうした中、農水省も輸出に力を入れています。価格の問題もありますが、やはり品質が重要です。日本の種苗会社は世界に誇る育種技術を有し品質の高い園芸種子・種苗を開発してきたと思います。
坂田社長は日本の園芸品目の品質は国際比較のなかでどう見られていますか。また世界市場を常に分析されていると思いますが、わが国の農業のあり方について提言があればお願いいたします。
重要な記事
最新の記事
-
スーパー米価、6週連続下落で3978円に ブレンド米が安売り牽引2026年3月27日 -
共同利用施設の再編集約・合理化 国の支援、もっと届くには 国会で議論活発2026年3月27日 -
【人事異動】あぐラボ 新理事長に土田智子氏2026年3月27日 -
【人事異動】農研機構の新理事長に千葉一裕氏2026年3月27日 -
JAたじま青壮年部の「ラジコン草刈り機」共同利用 鈴木農相、高く評価 横展開へ周知図る2026年3月27日 -
【中酪2026年度事業計画】酪農家減に危機感 需給安定、基盤強化へ全力2026年3月27日 -
(478)大人の「卒業」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2026年3月27日 -
【高市政権を考える】米国に憲法9条を イラン攻撃 国際法違反の「悪の枢軸」 「月刊日本」編集長・中村友哉氏2026年3月27日 -
「焼肉・すき焼き 純 池袋店」4月3日にリニューアルオープン JA全農2026年3月27日 -
ニッポンエールとコラボ「大阪府産デラウェアサワー」「兵庫県産淡路島なるとオレンジサワー」新発売 富永貿易2026年3月27日 -
家族ウケ抜群「旬の佐賀県産アスパラガス」簡単レシピ公開 JAグループ佐賀2026年3月27日 -
「国消国産」を楽しく学ぶ新CMとSNS用ショート動画を公開 JAグループ2026年3月27日 -
大阪府と包括連携協定 農業の担い手育成に重点 フィリップ モリス ジャパン2026年3月27日 -
漆の植栽で福島・阿武隈の里山再生へ「阿武隈牛の背ウルシぷろじぇくと」と連携開始 グリーンコープ2026年3月27日 -
山梨県富士川町、JA山梨みらい、富士川町商工会と包括連携協定を締結 タイミー2026年3月27日 -
農泊情報サイト「FARM STAY Japan」団体旅行マッチング機能を新設2026年3月27日 -
農水省「令和7年度農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書」取得 バカン2026年3月27日 -
精米時期を選ばず保管 高機能鮮度保持袋「プロガードフレッシュキープ」新発売 ジェイケミカル2026年3月27日 -
新型鳥獣害対策機「BB102」向け『定額保守サービス』提供開始 NTTイードローン2026年3月27日 -
常備野菜でボリュームアップ「加えるタイプのおさかなミールキット」新発売 日本生協連2026年3月27日


































