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【特集:第66回JA全国女性大会】提言:男女共同参画のススメ JA改革を遅らせる男性中心の片翼飛行 大金 義昭(文芸アナリスト)2021年1月20日

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「ジェンダー平等を実現しよう」はSDGsが掲げる17目標の一つだ。今日の世界でこの目標が持つ意義は何なのか。日本社会なかでもJAグループにおける「男女共同参画」の現状と課題を大金義昭氏に提言していただいた。大金氏は、女性が「家庭に安座しているのは、もったいない」とし、女性登用をJAグループ「創造的自己改革」の中軸に据えるべき課題だと提起している。

大金 義昭(文芸アナリスト)文芸アナリスト 大金 義昭

自身を変える 何かが変わる

「もったいない」と唱えたマータイ女史

没後10年になる環境活動家がいた。2004年にアフリカ人女性初のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイである。

彼女は、1940年にケニア中部の貧しい農家に生まれた。兄が両親を説得し、8歳から往復10キロの道を歩いて学校に通った。後に国費留学生になり、アメリカで生物学を学ぶ。帰国後、ナイロビ大学で博士号を取得した彼女は、同大学初の女性教授に就任する。

77年には非政府組織の「グリーンベルト運動」を立ち上げ、森林破壊が惹(ひ)き起こす国内の土壌侵食や砂漠化を防止する植林キャンペーンを開始。貧困に苦しむ女性と手を組み、環境保護や女性の地位向上などに取り組んだ。

活動はアフリカ全土に広がり、持続可能な開発と民主主義と平和を求める運動が注目された。時の政権とは対立し、逮捕や投獄に見舞われたが、へこたれなかった。2002年には国会議員に当選し、翌年からは環境・天然資源・野生動物省の副大臣を務めた。

ノーベル平和賞を受賞した翌年の05年には、京都議定書の関連行事に出席するために来日し、日本語の「もったいない」に感銘。彼女が説く「3R+R」のキーワードに重ねた「MOTTAINAIキャンペーン」を世界に提唱した。「3R」とは、リサイクル(再生利用)・リユース(再使用)・リデュース(ごみ削減)を意味し、もう一つの「R」は自然界などに対するリスペクト(尊敬)を指す。

11年に71歳で亡くなった彼女には、数々の名言がある。良く知られるそのいくつかを紹介しよう。

「普通の人ができることは小さいけれど、それが大きな影響を与えるの。私がしている小さなことは、木を植えることよ」

「木は大地に根を張りながら、空に向かって伸びていく。どんなに高く伸びても、その根から私たちは養分を戴いている」
「将来に実現したい何かがあるなら、いますぐ行動することね」

「何かを変えようと思ったら、まずは自分自身を変えることね」

彼女は、言葉が実体的な力を持つことを、身をもって示した。

取り残された先進国ニッポン

「だれ一人取り残さない」SDGs(持続可能な開発目標)が、国連総会で採択されたのは15年秋。その4年前にこの世を去ったマータイ女史は、SDGsへの草分け道を切り開いた先達の一人と私は考えている。

SDGsが30年を目途に掲げる17目標の一つに、「ジェンダー平等を実現しよう」がある。ジェンダーとは「社会・文化的な性差」。言い換えれば「男性が支配するタテ型社会で階層的に強いられている、女性であるがゆえの格差」のこと。

世界では、この男女格差を解消するために国連を中心に広範な運動が積み重ねられてきた。

直近の半世紀をふり返れば、「国際婦人年」(1975年)に始まる「国連婦人の10年」(76~85年)や「女子差別撤廃条約」(79年)、「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略」(85年)、「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」(93年)、世界女性会議における「北京宣言及び行動綱領」(95年)などの採択、国連特別総会「女性2000年会議」の開催、「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UNwomen)」の発足(11年)などがエポックとして蘇(よみがえ)る。エンパワーメントとは「力をつける」ことで、SDGsの目標もこうした歩みの延長線上にある。

国内でも世界に呼応し、「男女雇用機会均等法」(1985年)や「育児休業法」(91年)、「男女共同参画社会基本法」(99年)や「食料・農業・農村基本法」(同年)さらには「女性活躍推進法」(2015年)などが断続的に公布された。「男女共同参画社会基本法」に基づく「基本計画」は5年ごとに見直され、去る12月末に第5次基本計画が閣議決定された。

第5次基本計画は「202030目標」を掲げ、「2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となること」を目指している。「そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう」取り組むとした。この30%目標は、18年前の03年に設定されたもの。「諸外国の推進スピードは速く、日本は遅れている」と認めざるを得ない所以(ゆえん)である。

現に、「世界経済フォーラム」が毎年公表している「ジェンダー・ギャップ指数2020」によれば、日本は調査国153カ国中121位と先進国でも異例の最低ランクにある。06年の115カ国中80位からも悪化している。ちなみにこの指数は、政治・経済・教育・健康の四つの分野のデータから算出される。

笛ふけども...なお"足踏み"

JAグループはスピードアップ図れ

JAグループが女性参画の目標数値を初めて設定したのは、2000年秋に開催した第22回JA全国大会であった。3年後を目途に「全国平均で」正組合員25%以上、総代10%以上、理事等2名以上にすることを決議している。その数値をそれぞれ「30、15、15各%以上」に引き上げたのは、第28回大会(19年)である。大会は3年に1度開かれているから、この間に5回の大会を重ねた。

それぞれの大会決議を見ると、第22回大会では「女性職員の適正評価と能力開発」を謳(うた)い、第23回大会では「JA理事・総代への青年・女性層の選出枠」を設定。また第24回大会では「全国でJA数と同数以上の女性理事等とする」などを目標に、「中央会は、指導・働きかけ」を行うとした。同大会では、JAや連合組織における「女性管理職の任用」にも言及している。

さらに第25~27回大会では、第22回大会で掲げた数値目標を繰り返し決議。第26回大会では「女性の視点による地域に根ざしたJAの事業・活動」を唱え、第27回大会では「多様な組合員の理事登用」を特記してダイバーシティ(多様性)に配慮し、加えて「女性職員の管理職への登用を拡大」すると追記した。重ね重ねのこのような決議からは、JAグループにおける男女共同参画が思うように進捗(しんちょく)していないことがうかがわれる。

20年のJA全中調査によれば、全国平均で正組合員に占める女性の割合は22.7%、総代は9.8%、理事等は1419名で9.1%。これを地域別に見ると、女性正組合員の比率で最も高いのが中国・四国ブロックの27.1%で、以下、近畿、東海・北陸、関東・甲信越、九州、北海道・東北ブロックの順に比率が下がり、西日本が東日本に先行していることが分かる。

また女性総代や女性理事等ではいずれも近畿ブロックが先頭を走り、女性総代では中国・四国、東海・北陸ブロックが、さらに女性理事等では関東・甲信越、東海・北陸ブロックが近畿ブロックを追走している。

なお、JAにおける女性管理職は課長職以上が9.4%で、その内訳は係長以上が18.6、課長以上が10.5、部長以上が各4%になった。

性差解消こそ未来の切り札

すべからく「隗より始めよ」

これらの経緯や数値を、どう評価するか。半世紀を超え、農業・農村やJAの現場を追いかけてきた私には、JA関係者の粘り強い取り組みに敬意を表しながらも、著しい「遅滞感」を禁じえない。

少子・高齢社会の到来や農業・農村の急激な後退などに照らせば、女性登用は不可欠の主題である。JAグループが唱える「創造的自己改革」の中軸に据えるべき課題でもある。なぜなら、男性を中心にしたJAの片翼飛行のままでは、どうあがいてみても明るい未来の展望は切り拓けそうにないからだ。

組織や地域の貴重な「人的資源」である女性の能力や行動力を、もっと大胆に引き出し生かしてほしい。おびただしい男性の限界を、熱愛のパートナーシップで救済してくれているのが女性ではないか。家庭の多くは、すでにそうした対等の関係によって成り立っているにもかかわらず、それに安座して女性を家庭に留置し、家から一歩外に出た女性をいつまでも組織や地域の端役に留め置く時代ではない。

男性がプレーヤーで、女性がサポーターである必要は全くない。女性がプレーヤーで、男性がサポーターに回る関係が、現実にもっと広がってよい。口先だけの時代は終わった。

09年に刊行されたアニエス・アルシエ(当時、フランス国際技術協力庁長官を務めていた女性)の著作『女性指数が経営を変える』(NTT出版)がたまたま手元にある。彼女はその中で「女性的価値とされる経営的資質」について次のように列記している。

〇他人の声を聴く能力、暗黙の認識

〇納得、人間関係、和解、合意の形成

〇複合性・多様性・多文化性の理解

〇実用主義、行動の効用重視、成果・具体性重視、時間価値感覚

〇情報共有・集団主義の役割に対する感覚

〇権限委譲の感覚、他者の才能の重視

女性に見捨てられ、協同組合としての輝かしい未来をみすみす失ってはならない。男女共同参画は、JAが生き延びるための喫緊の課題であることを、男性リーダーは肝に銘じてほしい。

ところで、JAグループの代表・総合調整・経営相談機能を担う都道府県中央会の理事会には、女性理事等がどのくらい参画しているのであろうか。

中央会機能に多大な期待を寄せ、これからもなくてはならない「扇の要」として、仮にも女性不在の理事会が未だにあるようなら、私からは次の言葉を献じたい。まずは「隗(かい)より始めよ」と。なぜなら、いかにも「もったいない」話ではないか。

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