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JAの活動:第67回JA全国女性大会特集

【第67回JA全国女性大会特集】私たちJA育ち 地域ともに道筋描く(1)秋田県 渡辺広子さん 自給で真の豊かさを2022年1月24日

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JA全国女性大会が開かれた。そこで女性部活動をけん引してきた秋田県仁賀保町農協(当時)元職員の渡辺広子さんと広島県安佐町農協の元職員の隅田清子さんの”大先輩”に話を聞いた。テーマは「私たちJA育ち」で、JCA(日本協同組合連携機構)の根岸久子客員研究員がインタビューしてまとめてくれた。

渡辺 広子さん渡辺 広子さん

1.農業・農村の豊かさと可能性探求一直線

(1)生活指導員としてのスタート
渡辺広子さんは、1964年に生活指導員として秋田県仁賀保町農協(当時)に就職。新たな職種なので何をすべきか迷いつつ、足で歩いて学び取ろうという日々が続くなかで農外での仕事休みで集まった婦人部の会合で、「子どもたちと一緒に過ごす時間がなくなったから、クリスマスには町で一番立派なクリスマスケーキを買ってやりたい」との声に一斉にうなづく部員の姿を目にした。
早速、材料と器具を用意し部員と一緒に二段重ねのデコレーションケーキを作り上げ、その後、材料を共同購入し母親手作りのケーキを子どもたちにプレゼントしたという。これを機に徐々に自分たちの悩みを解決しようと協同の活動が生まれていく。

(2)農産物自給運動がスタート

1970年に減反政策がスタートすると農外就労はさらに広がり、5、6年たった頃の婦人部座談会では「金に追いかけられる生活」の内実が次々と語られた。
そこで提案したのが自分が外で稼いでくる収入と支出を1カ月だけつける家計簿記帳で、結果はほとんどが食品と既製品のおかずだった。とはいえ「自給」への反応は鈍く、1973年には飲食費に占めるわが家の自給可能額を算出し、その結果をもとに「20万円自給運動」がスタート。翌年は自給可能額を市価(小売価格)で換算し「40万円自給運動」へ、さらに1975年には「50万円自給運動」(部員の年間収入に匹敵))と進めていった。
しかし、依然として「買った方が楽」「作り方が分からない」との反応。そこで取り組んだのが「金で買って食うものの正体を知る」学習と実践で、その衝撃と反響は大きく、自給運動は大きく動き出していった。
こうして次第に野菜づくりが復活し、収量が増えるなかで農協前で「青空市場」を開設し、販売だけでなく消費者にホンモノの野菜や加工食品づくりを教える場にもなっていく。

(3)自給運動の活動拠点「百栽館」誕生へ

自給運動を支えたのは女性だけでなく、多くの知恵と技を提供してくれた男性高齢者で、自給運動は老若男女の協同の活動となっていく。そのなかで次々と出てくる技と知恵をもっと広げたいと、1988年には生涯現役をめざす高齢者の自己実現の場として「百栽館」を誕生させた。
百栽館からは、(1)「百栽の味の会」(伝統食グループ)(2)生協組合員が中心の「四季の伝統食を創り味わう会」(3)高齢者が創る加工食品や工芸品等の展示・販売(4)百栽弁当(独居老人への給食)等が誕生。自給運動のなかで取り組んできた「親子農協教室」や小学校への「出張農協学校」等も引き継いだ。
そして1996年には常設の「自給の味の散歩道・百彩館物産所」が誕生した(自給食堂、農産物や加工品・伝統工芸品の販売、体験学習等)。

研修会での渡辺さん

2.退職後は地域で食農教育ー自給運動の精神を両手に夫婦二人三脚で

(1)地域での食農教育がスタートー食育工房「農土香」を開設

1995年51歳で定年退職した渡辺さんは、2003年まで百栽館物産所内の自給食堂の担当として勤務し、2005年には食育工房「農土香」を開店した。目的は「農家には誇りを、都市の人には農村の良さ、大切さを分かって欲しい」ためで、それは「豊かさとは何か」を追求してきた自給運動の延長上の実践でもあろう。
「農土香」では昼食を提供(予約制)するが、メニューは農土香御膳、農土香定食、米粉ピザ、米粉パン、米粉ケーキ、大豆コーヒー等で、それらの食材は地元産が基本。2021年10月からは米粉ピザランチ、ソバダンゴ定食・、発酵小豆のソバ汁粉等が加わる。ただし、食農教育の場なので、来訪者にはメニューを教材に素材へのこだわりや作り方等を教える。
米粉パンや米粉ピザへの関心は強く(輸入小麦に含まれるグルテンへの不安等)、来訪を機に米粉のパンやピザを作りたいとの講師依頼もあるという。ちなみにソバづくりとソバ打ちは夫の勇さん(元JA畜産指導員)の出番で、「農土香」はご夫婦が協同する食農教育実践の場でもある。

(2)多彩に広がる食農教育の場

農土香には県内外のJA婦人部や婦人会、食生活改善推進委員、生協組合員等のグループが訪れるが、そのほかに小・中学校での出前授業(食や農業のこと、大豆コーヒー・米粉パン持参)、保護者会、地元や市の公民館、社協、保育園等にも食や農業に関する講演に出かける。盲学校で弱視の生徒にソバ打ち指導したという。
JA関連では、地元のJA秋田しんせいからは女性部大会や女性大学の講師、地元農産物を使った料理教室の指導等で声がかかるほか、近隣のJAからも女性部や介護グループ等からの依頼もある。さらに、個人や起業グループ、直売所グループも訪れるが、なかにはSNSで拡散する人もおり訪問者の増加にもつながる等、食農教育の場は多彩に広がっている。
ちなみに、団体客が来なくなったコロナ禍ではメニューを変えたり、テイクアウトを増やしたり、県立ゆり支援学校とのジョイントで生徒の手作り作品の展示販売(陶芸・ビーズ等)や食事会も行なっている。

最後にー離れて分かった魅力、農協職員でよかった

渡辺さんの自給運動は今も続くが、これまでを振り返って渡辺さんは「農協職員でよかった」と語った。それは、①本当のことを話せる―組合員、農家、家族にとってマイナスになることはNOと言える②男女を含めた多世代の組織があり、点ではなく面として活動でき、そのなかで学びあい行動することで運動を起こせる(目的の実現)、③総合事業性を有する(百栽館ができた要因)④食べ物を作る農地があること――だと。
これは農協女性部の活動からスタートし、多様な人々や組織を巻き込みつつ地域ぐるみの豊かな運動に発展していった農産物自給運動からの実感と言えよう。

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