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【クローズアップ】コロナ国内感染1年 気迫欠ける「敗戦処理内閣」2021年1月14日

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新型コロナウイルス感染が国内で確認されてから15日で1年。緊急事態宣言は11都府県に広がったが、収束のメドは立たない。16日で菅政権発足から4カ月。首相の菅義偉は、政治力を発揮できないまま週明けの通常国会を迎える。(敬称略)

首相官邸.jpg

コロナ禍1年

世界を覆うコロナ禍から1年の経過を時系列で見てみよう。元凶は中国にしても、防疫と経済の狭間を揺れ続け、日本をはじめ、世界の指導者が何ら有効な対策を取り得ていない現状が浮かび上がる。

◎2019年
・12月8日 中国・武漢市で最初の「原因不明肺炎」患者 ・同31日 武漢市内でウイルス性肺炎の発症相次ぐ

◎2020年
・1月1日 武漢・華南海鮮市場閉鎖 ・同11日 武漢で最初の新型コロナ死者

・1月15日 日本国内で初の感染者(武漢からの帰国後に症状)・同16日厚労省新型コロナ感染者を発表 ・同23日 中国は武漢市を封鎖 ・同24日 中国で春節始まる

・2月5日 横浜港停泊中のダイヤモンド・プリンセス号で10人感染と発表 同13日 新型コロナで国内初の死者確認

・2月27日 安倍首相(当時)全国の小中高に臨時休校要請

・3月11日 WHO世界的流行を意味する「パンデミック」宣言 ・同24日 東京五輪1年程度延長決定

・4月1日「アベノマスク」配布表明 ・同7日 東京など7都県に緊急事態宣言→16日に同宣言を全都道府県に拡大、現金給付一律10万円に方向転換 ・同12日 安倍首相がくつろぐ姿の動画をSNSに投稿

・5月14日 39県の宣言解除→同25日 全国で宣言解除

・7月22日 観光支援策「GoToトラベル」開始

・8月28日 安倍首相 体調不良理由に辞任表明

・9月16日 菅義偉首相へ。菅政権発足。「最優先課題はコロナ対策」と強調

・10月1日 「トラベル」事業に東京発着追加

・11月24日 感染拡大の札幌、大阪両市を「トラベル」から一時除外

・12月14日 菅首相「トラベル」全国停止表明。同日夜に自民・二階幹事長らと夜の会食判明 同27日 感染で立憲民主・羽田雄一郎参院議員死去 同31日 東京で感染が1000人超す

◎2021年

・1月2日 東京など首都圏4都県知事が緊急事態宣言の早期検討を政府に要望 同4都県に宣言決定→同13日 関西、中部含め11都府県に宣言拡大

・1月11日 世界感染者9000万人超 死者200万人に迫る(米国感染者2200万人以上で世界最多)

・1月18日 通常国会で特別措置法強化、財政支援などコロナ対策最大焦点へ

・1月20日 バイデン米新大統領就任 コロナ対策を宣言へ

見えぬ気迫と危機感

先の時系列表を見てまず感じるのは、指導者に国難突破への気迫と危機感があまり感じられないことだ。前首相・安倍の対応は周囲の異論を押し切り場当たり的に全国休校に踏み切ったと思えば、新年度には多額の経費をかけ小さな布製「アベノマスク」配布。一方、側近の意見を取り入れ自宅でくつろぐSNS動画投稿はあまりに庶民感覚とかけ離れた。世論の批判と政治不信が高まった。

決定的な転機は8月28日の突然の辞任発表。コロナ対策が奏功しない中で八方ふさがりとなり、持病の大腸炎も思わしくなく気力、体力が一気に萎えたというのが真相だろう。唯一の政治レガシーだった東京五輪開催も叶わない。こうした中で、肌の合わない石破後継だけは阻止する形でトップの座をあっさり譲った。

それにしても自民党総裁選で圧勝した菅だが、待っていたのは安倍が去った後のいわば〈敗戦処理内閣〉だった。

早過ぎた宣言解除と「トラベル」

今は感染第3波とされるが、では2波はどこだったのか。8月の一度突出した感染の山を指すことが多い。その前に何があったのか。要因は二つ。最初の緊急事態宣言の解除が前倒しで行われたこと。さらには、やはり夏休み直前の7月22日の「GoToトラベル」が絡むだろう。明確な因果関係は分からないが、人が全国に散らばれば、それだけ感染拡大リスクは増える。

菅政権になり早々、10月1日には「トラベル」に最大の人口を持つ東京発着を加えた。菅―二階コンビによる経済重視のまさに〈ゴー〉とのアクセル全開。感染拡大の温床は着実に広がり、年末12月には手に負えない状態に陥り、病床逼迫による医療崩壊の危機が迫った。

感染拡大踏まえ、菅はようやく12月14日に「トラベル」全国一時停止を表明。だが同日夜、国民に飲食自粛を求める半面で、自らは夜に8人で会食。その後「反省している」とわびた。ここにも指導者としての危機感の欠如が表面化した。

年末年始の〈衝撃〉

それにしても、新しい年への希望をつなぐ年末年始に大きな衝撃が走る。現役国会議員が53歳の若さでコロナ感染により死去。大晦日31日には東京で感染者が1300人の大台をはるかに突破し、国内に不安が募る。年明け2日には東京都知事・小池百合子らが緊急事態宣言発出を政府に求め、ようやく翌週後半の7日に決定。13日には対象を11都府県に拡大した。範囲は首都圏、関西圏、中部と日本の産業、経済の中枢が入った。今後の日本経済への影響がどうなるのか。

一連の対策は一言でいえば後手に回った。そのため、対策の効果が半減してしまっている。むろんコロナ予防策と経済対策は車の両輪だが、経済を回すためにも一旦、休業者への補償上積みとセットで強力な感染対策を行った上で、次のステップへ進むべきだ。

2月末からとされるワクチン接種は順調に進むのか。病床逼迫に備えるため、大都市周辺のゴルフ場などで野戦病院のような緊急措置を検討すべき段階かもしれない。

宣言発出で農業にも打撃

宣言発出は外食需要などの縮小から、間違いなく農業への影響も深刻となる。野菜は需給変動で安値が続いた。コメは主食用米でこれまでにない過剰基調にある。一方で、転作は計画通りに進んでおらず、このままでは出来秋の米価への悪影響は避けられそうにない。乳製品は、ホテルなど業務需要低迷でバター在庫が拡大。来年度の生乳需給に混乱を与えかねない事態だ。国会審議でもコロナ禍の農業、食料問題をテーマに建設的な質疑が欠かせない。

指導力不足で不支持逆転

このところの世論調査で、菅内閣不支持が支持を逆転にしている。理由の項目では最も多いのは、コロナ対策での指導力不足だ。安倍が不支持理由で多かった「人柄が信用できない」とは異なるが、指導力不足の指摘は官邸がうまく機能していないことの裏付けでもあり、深刻な事態だろう。「敗戦処理内閣」の重圧はさらに強まる。一方で政党支持率は自民党が3割台で、立憲民主党は10%に届かず、全く政治的な緊張感に欠けている。

2月7日期限切り責任問題も

菅は「1カ月で感染拡大を絶対に阻止する」と来月2月7日をゴールとして期限を区切った。13日の会見でも「感染阻止へ全力を挙げる」と繰り返したが、慎重な菅にしては言質を与えた形だ。その時に感染拡大が収まらなかったどうするのか。政治責任を問う声が出るのは必至だろう。今年は総選挙と東京五輪の二つの大きな出来事があるが、このままでは政局の中身を見れば、自民党内の権力闘争で終わりかねない。国会追及でも野党の存在感を出せなければ、〈安倍一強〉から〈自民一強〉へと看板の掛け替え程度で、コロナ対策はますます混迷しかねないと見た方がいい。

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