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参院選を終えて 「黄金の3年」も胡坐かいていられない岸田首相2022年7月12日

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7月10日に投票が行われた第26回参議院選挙は、自民党が選挙区と比例代表で合わせて63議席を獲得し、改選議席125の過半数を確保する結果となった。選挙戦終盤には、安倍晋三元首相が銃撃を受けて亡くなる事件が発生した、こうした事態を受けて今後の政治はどう動いていくのか。「月刊日本」の編集長に寄稿してもらった。(「月刊日本」中村友哉編集長)

参議院選挙の最中、安倍晋三元首相が銃撃を受け、亡くなった。心よりご冥福をお祈りします。

メディアはこの事件を民主主義に対する挑戦として厳しく批判している。犯人の動機はまだ十分に明らかになっていないとはいえ、選挙戦の終盤に現職の国会議員、しかも事実上の最高権力者といっていい元首相が殺害されたのである。

外形的に見れば、この犯行が民主主義を脅かす行為であることは否定しようがない。

安倍氏は首相のころ、民主主義の手続きを無視するかのような振る舞いを繰り返したため、民主主義を踏みにじる政治家と批判されてきた。しかし、だからといって暴力によって命を奪っていいということにはならない。私たちはこの蛮行を断固として非難しなければならない。

自民党は安倍氏を失ったショックの中で参院選を戦うことになったが、大方の予想通り、選挙結果は自民党の一人勝ちとなった。個別の選挙区などを見れば野党が善戦したところもないわけではないが、自民党が圧勝したことに変わりはない。これによって岸田文雄首相の政権基盤は盤石となった、というのが一般的な見方であろう。

しかし、この見方は本当に正しいだろうか。確かに政治日程は岸田政権の味方をしている。これから先、衆議院を解散しない限り大型国政選挙のない「黄金の3年」が到来する。何もせず任期をやり過ごすだけで、岸田政権は中期政権化することが事実上約束されている。

しかし、そんなうまい話などないというのが政治の世界である。私はむしろ、岸田政権はそれほど長続きしないのではないかという予感を強めている。

日々大量の情報に接していると、つい最近の出来事さえ忘れがちだが、1~2年前のことを思い出してほしい。

2020年9月、安倍首相の突然の辞任を受けて、新たに菅義偉氏が総理に就任した。NHKの世論調査によれば、政権発足時の支持率は62%で、小泉純一郎内閣、鳩山由紀夫内閣に次ぐ水準だった。

そのため、自民党内からは早期解散に踏み切るべきだという声が上がったが、菅首相は最終的に解散を見送る。支持率の高さに自信を持ったのだろう。

しかしその後、日本学術会議問題が浮上したり、菅首相の息子をめぐるスキャンダルが発覚するなど、多くの問題に直面したことで、菅政権の支持率は下降し始める。決定的だったのはやはり新型コロナウイルスの感染拡大だろう。その結果、年明け早々、菅政権の支持率と不支持率は逆転する。一時的に支持率を盛り返したものの、東京オリンピック開催に批判的な声も増えていき、ついに菅首相は辞任に追い込まれた。

岸田政権もこれと同じ道をたどる可能性がある。菅首相にとって政権を揺るがす決定的な要因がコロナだったとすれば、岸田首相にとってはインフレだろう。

アメリカやヨーロッパが利上げに動く中、岸田政権はアベノミクスを踏襲して金融緩和を維持しているため、円安が急速に進んでいる。そこにロシアによるウクライナ侵攻まで重なった結果、輸入物価が跳ね上がり、アベノミクスが目標とした2%の物価上昇を達成するに至った。しかし、賃金は低く抑えられたままなので、国民生活は苦しくなり、岸田政権に対する不満が大きくなっている。実際、参院選に入る前から岸田政権の支持率はじりじりと下がっていた。

もちろん、いくら支持率が落ちているといっても、いまの野党に岸田首相を辞任に追い込む力はない。岸田政権が倒れるとすれば、菅政権と同様、自民党内における政権交代だろう。

しかし、菅政権の場合は衆院選が目前に迫っていたから「菅おろし」が起こったのであって、これから「黄金の3年」を迎える岸田政権で「岸田おろし」が起きるとは思えない。そのように考える向きもあるだろう。

しかし、このまま支持率低下が進めば、まだ国政選挙は先だったとしても、自民党内から「岸田首相では選挙は戦えない」という声が必ず出てくるはずだ。来年春には統一地方選挙も控えている。野党が弱いからといって、いつまでも胡坐をかいてはいられないのである。

菅首相が辞任に追い込まれたときも、野党はバラバラで、現在とそれほど違いはなかったが、それでも菅首相のまま選挙を戦えば政権交代が起きるといわれていた。国民の不満が大きくなれば、野党が支持されていなくても、政権交代は起きうるのである。

岸田首相が「岸田おろし」を食い止めるには、アベノミクスを転換してインフレを克服する必要がある。しかし、アベノミクスの転換は容易なことではない。世界各国と同じように金利を上げれば、公債費の負担が増え、財政を直撃するからだ。

それゆえ結局、岸田政権は金融緩和をやめることができず、インフレが続くことになるだろう。その結果、国民の不満が高まり、早晩「岸田おろし」が始まるというのが、現時点における私の見立てである。

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