【TPP】安倍首相 TPP交渉参加を表明2013年3月15日
安倍普三首相は3月15日午後6時から首相官邸で会見を行い、「TPP交渉参加を決断した」と表明した。
◆ルール作りに参加するのは「今がラストチャンス」
安倍首相は、TPP交渉への参加を決断した理由として、「世界の国々が外国の成長を取り込もうとしているのに対し、日本だけが少子高齢化や長引くデフレを背景に内向き志向になった」という現状認識に立ち、「太平洋を自由にモノ、サービス、投資が行き交う海」にして、「同盟国である米国とともに新しい経済圏をつくる」ことが、「日本の国益だけでなく、世界に繁栄をもたらす」と考えたからだと説明。
また、「TPPのルール作りに参加できなければ、その先にある、RCEP、FTAAPのルールづくりにも参加できない」という認識のもと、世界の新たなルール作りに参加するには「今がラストチャンス。1日も早く交渉に参加しなければならない」との危機感を表した。
その上で、「TPPが新たなアジア太平洋の世紀のスタートになった、と後世の人は評価するに違いない。TPP交渉参加は国家百年の計」だと自信を見せた。
◆もっとも守るべき国益は「日本の国柄」
TPP参加による日本農業への影響については、政府の統一試算で農業生産額が3兆円減少になるとされていることに触れ、「すべての関税が撤廃され、なおかつ何も対策を講じない場合の試算であり、決してそういうことにはならない。交渉力を駆使して、守るべきは守り、攻めるべきは攻める」とした。
その「守るべき国益」の中で、もっとも大事な国益として「世界に誇るべき国柄、美しい田園風景、農村文化から生まれた皆保険制度を軸にした社会保障制度」などをあげ、「これらを断固として守る」と強調。
さらに、「攻めの農業政策で輸出を拡大し、農業を成長産業にする。TPPはピンチではなくチャンスだ」とした。
◆脱退を想定するのは「国益に適わない」
カナダ、メキシコが交渉に参加する際、両国にとって不利な条件に合意せざるを得なかったという一部報道に対しては、「我が国にそういった念書は届いていないため、わからない」としたが、すでに11カ国で合意されたルールについては「遅れて入った日本が、ひっくり返すのは難しい」と認めた。
しかし、「日本は世界第3位の経済大国」であり、「関税についは、まだほとんど議論されていない」という認識のもと、「いったん参加すれば、重要なプレイヤーとして新たなルールづくりに参加できる」との考えを示した。
また、交渉参加後の脱退については、「参加することが国益に適うと考えて決断したのであって、いまは、(参加しないことを想定するのは)国益に適わない」とした。
◇
これからの交渉や政府の対応については、「状況の進展に応じて、情報提供していく」ことを約束。「米国の同意が得られるよう、2国間の協議を進めていく」と述べた。
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