早期妥結、予断許さず TPP交渉2014年2月27日
TPP(環太平洋連携協定)交渉はシンガポール閣僚会合で大筋合意に至らず、次回の閣僚会合の予定も決めることができない状況になった。ただ、4月下旬のオバマ大統領のアジア訪問、5月のAPEC(アジア太平洋経済協力)貿易大臣会合を見据え、妥結に向けた動きが起こることも懸念され注視が必要だ。
2月25日、TPP政府対策本部は22日から開かれたシンガポール閣僚会合について以下のような結果概要を発表した。
▽今回の閣僚会合では、SPS(衛生・植物検疫措置)、投資、金融サービス、法的・制度的事項、国有企業、電子商取引、市場アクセス(物品、繊維、サービス・投資、金融サービス、政府調達、一時的入国)、原産地規則、貿易円滑化、知的財産について全体会合を行った。
▽全体会合に加えマレーシア、ベトナム、オーストラリア、ブルネイ、シンガポール、米国、カナダ、ペルー、ニュージーランド、メキシコとのバイ会談も行い、二国間の懸案事項について協議を行った。
▽ルール分野については、これまで難しい課題が残されていた分野を含め、多くの分野で大きな進展があった。また、交渉官に対し課題の解決に向けた具体的指示が出された。
▽市場アクセスについては各国が二国間交渉を通じ、物品だけでなく、サービス、投資、政府調達、一時的入国など市場アクセス全般にわたって精力的に交渉を進めた。わが国もすべての国と二国間交渉を行い、実質的な協議を進めた。
▽農産品のいわゆる「重要5品目」については、一連の二国間交渉や全体会合の場で、わが国には衆参農水委員会の決議があり、センシティビティがあることを粘り強く説明し各国の理解を求めた。
▽また、TPPはモノの関税撤廃ではなく、サービス、投資、政府調達、一時的入国といった市場アクセス全般、さらにはルール分野も含めた幅広い交渉であり、交渉分野全体で包括的でバランスのとれた合意をめざすべきというわが国の考え方を繰り返し強調した。
▽日米間では、甘利大臣とフロマンUSTR代表が二度にわたり会談を行い、その間、事務レベルでも折衝を続けた。双方の立場にはまだ隔たりがあるが、閣僚同士の会談を通じて議論が深まった。日米間の懸案の解決に向け、事務レベルで引き続き折衝を続ける。
▽今次会合を通じ、各国が抱える政治的困難に配慮しながら、アジア太平洋地域に21世紀型の新たな経済統合協定を共に作るという共通の機運と信頼関係が醸成された。交渉は最終局面を迎えており、わが国としては早期妥結に向け、引き続き関係国とともに最大限努力していく。
◇
政府は「交渉は最終局面」との認識で、早期妥結に向けて交渉を続ける方針が示されている。
また、閣僚会合では以下のような共同声明が発表されている。
【シンガポール閣僚会合・ステートメント】
○われわれは前回の閣僚会合で特定された着地点の大部分について合意した。いくつかの論点が残っているものの、われわれは包括的でバランスの取れた成果をめざす観点から、これらの課題を解決するための道筋を示した。
○また、広範な二国間会合を通じてわれわれは残りの作業の重要な部分を占める市場アクセスについても進展させており、市場アクセスの全分野に渡る野心的なパッケージの完成に向けた作業を継続する。
○今回の会合を受けて、われわれは残された課題について各国国内で協議を行う。
○われわれは昨年10月にバリ(インドネシア)で首脳から指示された通り、2011年にホノルルで設定された目標の達成に向けた野心的で高い水準の協定について、できる限り早期に結論を得るために努力している。われわれはTPP参加各国において、国民の雇用、企業の機会、経済成長、発展を創出するような協定を実現するために必要となる相当な水準の努力を注ぐ。
(関連記事)
・「決議」必ず実現を 萬歳JA全中会長が談話(14.02.26)
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