JA全農 和食で海外市場拡大2014年9月19日
シンガポールに1号店
JA全農とフードワークスが出資する(株)わしょくわーくすは9月23日、シンガポールに和食のレストランをオープンする。食材は日本で加工し、最新の冷凍システムで現地に運んで調理する仕組みで、料理人不要(シェフ・レス)のシステム。直営の旗艦店として位置付け、和食レストランの展開によって、日本の品質のよい食材を海外に売り込み、国産農産物の海外市場拡大をはかる考えだ。
合弁相手の(株)フードワークスは、首都圏を中心にさまざまな形態の飲食店を展開する企業で、九州、山梨県などの自社の農場や加工工場,漁場などを持つ。
わしょくワークスは資本金8000万円で今年の2月に設立。全農が49%、フードワークスが51%出資の合弁会社。同社の持つ冷凍技術は「F4」という急速冷凍システムで、素材を加工することで、肉や魚はもとより、刺身も、海外までほぼ生の状態と変わりなく運ぶことができる。現地では解凍、加熱、盛り付けをするだけ。
海外における和食ブーム盛んだが、現地で調達した食材を使った、"和食もどき"が多く、本物の和食店は限られていた。また、海外の和食店は、外国人の就労に制限があり、腕のよい料理人の確保が難しいという問題もある。
「F4」は食材と人の問題を解決する技術で、JA全農の神出元一専務は、「フードワークスから提案があり、国産農産物を使った本物の和食を提供できるチャンスと考えた。日本の食や文化を海外にアピールする"大きな風"を吹かせたい」と期待する。 旗艦店となるシンガポールのレストランは120坪(約400平方m)の広さで80席の規模で割烹料理が中心。他店とは、「F4」で肉質の落ちない和牛で差別化をはかる方針。すでに9月1日からテスト営業しており、23日はグランドオープンとなる。
今後の展開は、現地でのフランチャイズ方式で拡大する方針だが、フードワークスの宮本圭一社長は「すでに、やらせてほしいとのニーズがある。香港など、アジアのほかの国にも展開したい」と、反応に手応えを感じている。
(写真上)
シンガポールにレストラン進出を発表する全農の神出専務(左)と宮本社長
(写真下)
全農が輸出する食材パックの数々
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