若い農業者 JAの支援・地域内調整力に期待2017年8月23日
「農山村再生と若者力」シンポより
中山間フォーラムが7月に開いた「農山村再生と若者力」をテーマにしたシンポジウムでは、農山村地域で農業を営む若者たちの声から、農業の新たな位置づけを探った。地域に暮らす仲間を増やすためにもJAの新規就農支援や農地の利用調整を求める声などがあった。
「阿蘇で農家を継ぎ核となる農業者に育つ」と題して実践報告をしたのは橋本凌さん。農業高校を卒業し、就農7年めの24歳。祖父母は農業をしていたが両親は公務員。子どものころから祖父の農作業について行き、田んぼや水路で遊ぶうち農に親しみ。この地での暮らしにも魅力を感じるようになり「孫就農」へ。
稲作15ha、作業受託5haと黒毛・褐色和種の繁殖、牧草ロールの生産・販売も行っている。
祖父が地域の人々とのつながりをつくってくれたことも大きく「農業は天職」と感じている。農業高校の同級生20人のうち卒業後に就農したのは2人だったが、今は10人ほどに増えたという。時間にとらわれず達成感もあるのが農業ではと話すが、農繁期や災害時には友人たちが駆けつけてくれ「周りに助けてもらっている」。
(写真)中山間フォーラムの設立11周年記念シンポジウム(7月8日)(左から)実践報告をした橋本さん、中川さん、小松さん。
新規就農者など若い仲間を増やすためにも、経営規模を拡大したいと考えている。そのためにJAには新規就農希望者への研修や支援、さらに地域の農家と調整して、若手農業者に農地を利用してもらえるような調整力の発揮を期待する。
今後の経営の目標は農産物の質向上と情報発信、そして「わいわいと仕事をする仲間を増やすこと」だと話した。
シンポジウムにはそのほか、緑のふるさと協力隊員として富山県高岡市頭川集落に住み、農事組合法人国吉活性化センターに就農した中川雅貴さんと、新聞記者を経て高知県安芸市畑山で夫とともに高級地鶏「土佐ジロー」の飼育生産と旅館業で、地域興しに挑戦している小松圭子さんも実践報告した。
中川さんは集落営農組織が自分の移住と就農の受け皿になったといい、「農業と暮らしは切り離せない。学びながら地元の農地を地元で守る集落営農を発展させていきたい」などと話した。
小松さんは豊かな自然のある中山間地域に再び人々が暮らしてほしいという思いが養鶏であり旅館業だといい「みなさんを畑山に迎えられるよう継続したい」などと話した。
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