【JA全農 水稲直播栽培研究会】宮城県で増える乾田直播 県本部が核となり実証(6)2026年1月23日
1月21日に開いたJA全農の水稲直播栽培研究会では全農宮城県本部が乾田直播栽培の取り組みを紹介したほか、茨城県の田仲農場が直播栽培導入の課題などを話した。
JA全農みやぎ生産資材部営農支援課の野坂涼氏
宮城県本部の取り組みはJA全農みやぎ生産資材部営農支援課の野坂涼氏が報告した。
急増する乾田直播
宮城県は乾田直播栽培面積が2023年で2530haと全国の約13%を占めるまでに増えている。2024年は3000haを超えた。

県本部が主導して県内8か所(5JA)に試験展示圃を設置し運営、品種や地域性を考えて特別栽培米試験、飼料用米試験、輪作体系を確立するための大豆後作試験などテーマを設定している。
また、農研機構と連携した現場での技術指導、生育ステージに合わせJAや地域の枠を超えた現地検討会の開催、生育・収量・品質調査を実施し、移植栽培と比較した優位性を検証している。
試験圃場には資材を提供
JA全農みやぎでは推奨する試験資材の無償提供と配送、ドリルシーダーやケンブリッジローラーなど乾田直播関連農機の無償貸出を行っている。また、農研機構の協力で乾田直播栽培暦を作成し生産者に配布したほか、取り組み関係者用に圃場の写真や生育調査のデータなどを情報を産地同士で共有できる環境を整えた。
2025年度は県内7JA、8圃場で試験展示圃を設置した。面積はそれぞれ1haで品種はひとめぼれ、ササニシキ、多収品種の萌えみのり、にじのきらめき、飼料用米のふくひびきを栽培した。現地検討会は4月の「播種実演」、5月の「雑草防除」、7月の「追肥判断」を開催した。生育調査は6月上旬から8月下旬にかけて、すべての展示圃場で10日から20日間隔で苗立ち本数、草丈、茎数などを調査した。
県平均収量を超える
25年度の試験結果のうち、収量は10a当たり550kgから600kg程度となり、宮城県の平均収量の560kg程度かそれ以上は収穫できた。整粒歩合は県平均の65%をほとんどの圃場で超えた。

26年度の取り組みでは、もち米の栽培試験を予定している。前作がもち米、または水稲以外の作物だった圃場でもち米の乾田直播栽培を行うことによって、需要がありながらも減少している作付面積の維持拡大を図る。
また、早期播種体系試験も予定しており、通常より早期に播種する体系で試験を実施することにより、より確実な移植水稲との作業分散による効率化を図る。さらに栽培体系の向上と収量、品質の安定化をめざしていきたい。
情報共有のプラットフォームを
現地報告では茨城県稲敷市で120haを生産する農業生産法人田仲農場の田仲利彰代表取締役が「直播栽培を軸とした地域農業振興」と題して以下のような報告をした。
農業生産法人田仲農場の田仲利彰代表取締役
生産者の目線で課題を整理すると、▽規模拡大はしたいが移植栽培では限界、▽直播にチャレンジしたいが機械投資がネック、▽身近に直播に取り組んでいる農家がいないので情報が少ない、▽直播栽培は収量が落ちる印象があるなどだ。
農家が求めているのは教科書的な栽培理論だけではなく失敗も含めて多くの農家が取り組んだリアルな情報。地域や環境条件も限界点を示すことで農家が判断する大切な情報となる。これらを共有するプラットフォームが必要だ。
昨年、田仲農場サービスを設立した。当社はJAグループと協力してリゾケア湛水直播に関する情報提供を行うことにしている。田仲農場ではリゾケア湛水直播に取り組んでおり、育苗期間のうちに播種する直播作業を作業体系にビルトインしている。
こうした情報と肥料と農薬についての情報をJAグループと共有することで、栽培技術の正確な情報提供ができるプラットフォームになるのではないか。また、直播栽培に取り組む際の障壁となる機械の導入については田仲農場サービスが播種作業の受託サービスを提供することで多くの農家がチャレンジできるようになる。こうした事例が全国で展開されることによって、持続可能な農業と持続可能な農村地域が作れると考えている。
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