農政 ニュース詳細

2017.08.24 
農業再生協議会の活動強化充実も課題-30年度予算一覧へ

 30年度の農林水産関係予算では30年産以降、米の生産調整への国の関与が弱まるなか、関係団体が一体となって需要に応じた生産に取り組むため農業再生協議会(再生協)の機能が重要になる。農林水産省は「農業再生協議会の活動強化等」の予算を8月末の概算要求に盛り込む方針だが、再生協の運営費の確保とともに、全国組織の設置など国が米の需給と価格の安定のために役割を発揮する必要もある。

 8月22日の開かれた自民党の農林関係合同会議で農林水産省が示した概算要求の重点事項には「農業再生協議会の活動強化等」を盛り込み、再生協が行う水田フル活用ビジョンの作成・周知や経営所得安定対策等の運営に必要な経費を支援するとした。


 地域の再生協議会は市町村を基本にJAや農業委員会、法人、担い手農家、実需者団体などで構成され、30年産以降も、需要に応じた地域の水田農業生産のため、主食用米の生産数量目安などの設定とともに、水田フル活用ビジョンを策定し、地域全体で取り組むよう周知する役割を担う。需給状況や市場評価を生産者に着実に伝えることも必要で、経営所得安定対策の普及・推進なども行っている。経営所得安定対策等推進事務費は83億円程度となっている。


 こうした事務費など運営費を確保するとともに、都道府県段階の再生協だけでなく、JAグループは全国組織を設置し需給調整を図るべきだとしている。


 また、需給調整の実効性を確保するには、ナラシ対策の加入要件も地域の再生協とともに需要に応じた生産に取り組む生産者、とするなどの対応が必要だとしている。


 しかし、農水省は国による生産目標数量の配分が廃止される30年以降の生産者の動向について「ナラシ対策の要件に関わらず主食用米の大幅な増産は見込まれない」としている。


 その理由は、▽大規模農家でも飼料用米、麦・大豆の生産を含めた作付形態が定着しており、生産調整を「遵守」している、▽生産調整を「非遵守」の大規模農家は、経営水田面積のほとんどで主食用米を生産しており主食用米の増産の余地がない、▽小規模農家は認定農業者ではなく、これまでもナラシ対策の対象ではなく30年以降も同様、との3つをあげている。


 こうした見方を7月に開いた自民党の農業基本政策検討PTで示したが、議員からは見通しが甘く過剰生産になる懸念はあるとの指摘も多く、再生協議会の役割に国がもっと関与することが必要だとの意見が出された。


 とくに過剰対策となると、生産者団体等の自主的な取り組みではなく、国が責任を果たすべきであり、再生協の全国組織化とは別に政策としての枠組みが求められる。


 7月21日のこの会合で西川公也農業・食料戦略調査会長は「全国組織というと(農水省は)改革の後退だと気にするが、しっかり対応していく。公的関与は、というが所得増大とどう関連していくかだ」と農業者の所得増大という生産目標と、国民への食の安定供給という観点を忘れてはならないと強調した。

(関連記事)

第22回 「震災復興への歩みと平成30年以降に向けた水田農業ビジョン」ーJAふくしま未来の報告ー(17.07.08)

第20回 担い手組織と二人三脚で米・麦振興に挑む――JA糸島の新たな挑戦――(17.06.24)

仕入れ機能の強化を 農機リースで担い手支援【JA水戸常務・岡崎一美氏】(17.04.05)

【JA全中 大西茂志常務】 地域営農ビジョン実践こそ自己改革(17.03.09)

役員が担い手訪問【JAの挑戦】(17.02.14)

一覧はこちら

このページの先頭へ

このページの先頭へ