バターと脱脂粉乳 枠超過輸入5年連続-農水省決定2018年1月29日
農林水産省は1月26日、30年度のバターと脱脂粉乳の輸入数量枠を決めた。年度全体でバター1万3000t、脱脂粉乳2万7000tの輸入枠数量となった。
農林水産省によると、9月から3月に毎週実施している「小売店におけるバターの店頭調査」ではすべての調査店舗でバターが並んでいることから、需給は安定的に推移していることが見込まれるという。
また、生産、流通、消費関係者による情報交換会議でも、昨年12月にはバターの在庫は十分にあることが確認された。
これをふまえバターの平成30年度の需給見通しを得るために、各月の最小生産量と最大消費量(いずれも過去6年間)をもとに試算した。その結果、31年2月に必要在庫量を最大1万2300t下回る見通しとなったことから、バターは1万3000tの輸入枠を決定した。29年度の輸入枠と同量とした。
一方、脱脂粉乳を原料とするヨーグルトなどの消費が伸びており、国産原料の乳製品のニーズも高いことから、業界には脱脂粉乳の在庫量を増やす動きがある。そのため実需者からは必要在庫水準の見直しを求める声も多いという。
また、脱脂粉乳需要は季節的な変化がほとんどなく保存がきくため、必要在庫量はバターのように翌月消費見込量を基準とするのではなく、毎月一定量とすべきではないかとの声も多いことから、30年度から必要在庫量を一定数量に見直すことにした。
具体的には29年度末の在庫量は6万tを超える見込みで入札価格も落ち着いたことと、実需者からは期末在庫は5~6万tが必要との指摘も出ていることから、30年度末の必要在庫量は6万tとする。
これをもとに過去6年間の各月の最大消費量などで試算すると、31年3月に6万tの必要在庫量を最大で2万6500t下回る見込みとなったことから、脱脂粉乳の輸入枠は2万7000tとした。
脱脂粉乳は29年度当初、輸入枠を1万3000tとしたが、5月の検証で2万1000tを追加輸入することを決定し、合計で3万4000tに拡大。すでに全量が落札され順次輸入されている。30年度は脱脂粉乳を原料としたヨーグルト、アイスクリーム、飲料などの消費が伸びていることから当初から輸入量を多く設定した。
バターと脱脂粉乳の輸入は昨年度と同様、5月と9月に検証を行う。
生乳換算での輸入数量はバター16万420t、脱脂粉乳17万4960tとなる。日本はガット・ウルグアイ・ラウンド合意にもとづき、毎年カレントアクセスとして乳製品を生乳換算で13万7000t輸入する国際約束をしている。30年度はカレントアクセスを約19万8000t超過して輸入することになる。カレントアクセスを超過した輸入は平成26年以来5年続きとなる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日