温暖化による穀物被害、世界で年間424億ドル 農研機構2018年12月18日
農研機構は、国立環境研究所と気象庁気象研究所と共同で、1981年から2010年までの過去30年間、地球温暖化が主要穀物の平均収量に与えた影響を世界規模で評価。その結果、被害額は合計で年間424億ドルに上ると12月11日発表した。
農研機構は共同研究機関と共に、温暖化影響の検出・評価専用に設計された気候データベースを用いて、主要穀物であるトウモロコシ、コメ、コムギ、ダイズの過去30年間の平均収量に与えた影響(収量影響)を、世界全体規模で推定した。
その結果、温暖化によりトウモロコシ、コムギ、ダイズの世界平均収量がそれぞれ4.1%、1.8%、4.5%低下したと推定。金額換算ではトウモロコシ223億ドル、コムギ136億ドル、ダイズ65億ドルと推計され、近年の温暖化による被害額は合計で年間424億ドルに上ると見積もられた。ただしコメについては、世界平均収量に有意な温暖化の影響があったとは言えなかった。
この研究によって、世界平均収量で見るとすでに温暖化による穀物生産被害が生じていて、温暖化適応策の開発・普及が緊急に必要であることが示された。
なお、この研究成果は英国王立気象学会の科学国際誌「International Journal of Climatology」に掲載された。
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