【コロナ農業打撃】子牛価格下落で中山間地崩壊の危機2020年3月31日
江藤農林水産大臣は3月31日、新型コロナウイルス感染症の農林水産業への影響についてテレビ会議を通じて生産者などからヒアリングを行った。
現場からは価格下落で先行きが見通せないことを一様に訴え、離農が増えれば耕作放棄地が増加するなど中山間地域では地域が崩壊してしまうとの厳しい声も出された。
テレビ会議を通じてヒアリングを行う江藤農水大臣
江藤拓農相は生産者に向け「現場の意見を聞いたうえで経済対策をまとめていかなければならない。総理からも前例にとらわれず強大な対策を、と言われている。これまでの常識を打ち破って思い切った対策を打ち出していきたい」と話した。
静岡県の鈴木和雄静岡県温室農業協同組合組合長は、組合員はハウスメロン単品で生計を立てているが、出荷量は前年比で伸びているものの「単価は2月は71%、3月は67%まで下がった」と話し、「前例のない対応をお願いしたい」と述べた。
宮崎県高千穂町の和牛一貫農家の興梠哲法さんは肉牛の出荷制限があるなかで、繁殖農家も追い込まれていると現状を話した。3月の子牛の取引は「1頭あたり15万円減とショッキングだった」という。
高千穂町では農家の7割が65歳以上で子牛生産を生きがいにしてきたが、先が見通せない状況となり、「このままでは離農が進み、耕作放棄地も増え中山間地域崩壊のおそれも」と指摘、冷凍・冷蔵の和牛肉を消費者に求めやすい価格で流通するなど仕組みやふるさと納税制度の活用などを訴えた。
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