2020年産米 作況全国「101」 適正量より20万超-9月15日現在 農水省調査2020年10月1日
農林水産省は9月30日、2020年産水稲の作柄概況や作付見込み面積を発表した。
9月15日現在の作柄見込みは全国作況で「101」となった。
北海道、東北、北陸では全もみ数が平年以上に確保され登熟も順調に推移していると見込まれ、北海道は「105」(10aあたり予想収量581kg、前年産+10kg)、東北は「103」(586kg 前年産同値)、北陸は「103」(551kg、+11kg)となった。
一方、その他の地域では7月の低温、日照不足の影響で全もみ数が平年以下の地域がある。また、山口、佐賀、長崎を中心に西日本で台風やトビイロウンカなどの影響が出ている。これらを要因として関東・東山は「101」(538kg +16kg)、東海は「97」(487kg、▲4kg)、近畿は「99」(504kg、+1kg)、中国は「97」(503kg、同)、四国は「100」(484kg、+27kg)、九州は「96」(483kg、+48kg)が見込まれている。
作付面積は157万5000haで前年産にくらべ9000haの減少が見込まれている。このうち備蓄米、加工用米、新規需要用米を除いた主食用の作付け面積は136万6000haで前年産にくらべて1万3000haの減少が見込まれる。
主食用の予想収穫量は734万6000tと前年より8万5000tの増加が見込まれる。
西日本では佐賀、長崎が「93」、山口が「83」とトビイロウンカや台風の影響で作柄が悪化する見込みだが、今年はこれまで台風の上陸がなく「水稲にとって恵まれた気象」(農水省)で推移している。
ただ、主食用の予想数量は農水省が適正生産量とした709~717万tとくらべて最大25万t超過する。農水省は主食用から飼料用米などへの用途変更の申請期限を2回延長し9月18日までとし、延長したことで4000ha程度が用途変更されたという。それでも約735万tの収穫量となれば、来年6月末までの需要量は715万tとの差は20万tあり、来年6月末の在庫量は米価が大きく下落した平成25、26年の220万tを超える。農水省はこうした見通しについて「一般的には需給は緩和しているといえる。需給動向をふまえながら注視していく」とする。
国による生産数量目標の配分が廃止されて3年。この間、9月15日現在の生産数量見込みは国が示した適正生産量を上回った。その後、天候不順で作柄が悪化し需給均衡が続いてきた。農水省は「この制度が限界か、抜本的に見直しのかという議論は時間をかけていく」と話すが、今のところ検討時期などを明らかはしていない。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































