農政:本紙独自 コメ作柄調査 2020年
【本紙独自調査】米需給調整 正念場 200JA米担当者の声【中四国 九州】2020年9月30日
本紙が実施したJAの米担当者に対するアンケート調査では、全国的には過剰が懸念される主食用米に対して現場ではどのような対応で臨んでいるかなどを聞いた。主産地がしっかり非主食用への転換を進めることが重要との意見や、JAグループだけでは取り組みが不十分で不公平との指摘も聞かれた。
【中国】
○もともと飼料米や大豆、そばが多く、主食の作りすぎという感覚はない。昔から転作でやっており問題視していない。
○取引先としっかり結びつきそれほど余っていない。米は多収米への転換はあり得る。
○畜産が主流で飼料米に転換。それより高齢化で作付け面積が減っている。米余りより生産自体がどうなるか心配だ。
○中山間のため麦、大豆は少なく転作が難しい。農家所得最大化が一番なので、今後10a8万円の助成が継続されれば飼料用米への転換も考える。
○今年はウンカ被害で足りなくなるかも。米が売れなくなった大型生産者など飼料米を増やしたいという声がある。
○高齢化や小規模化で実感として生産量が増える見込みはない。需要の減少と生産者の減少のどちらが早いか。水田機能は維持し米が作れるうちは作ったほうがいい。
○今年は価格が低下し作付けが減るのでは。転換ではなく辞める人が増える懸念がある。
【四国】
○大規模農家では飼料米に転換もある。麦・大豆は土地柄むずかしく、米を作らず露地野菜にチェンジするのでは。
○高齢化で全体として作付け面積は減少。集落営農組織はないので地域のなかで農地の担い手を回している。いずれJAが農地を守っていくしかない。
○1経営体で平均20アール。飼料用米づくりは難しい。JA出資法人を立ち上げて取り組む予定。生産者も拠出して需給均衡のために政府が飼料用米に振り分ける政策が必要ではないか。
【九州】
○大豆転作増加。麦わらのすき込みに助成を。 ○主食用米の過剰で、売れる米と売れない米の差が開く。
○県下では主食用米は足りない。補助金頼りのWCS作付けで圃場の荒れが懸念。高温耐性品種をしっかりつくることも大事。
○以前から米粉用米、飼料米、輸出を強化している。東北などの他県からの米が来なければ、西日本では主食用米が不足している。
○九州はウンカ、台風での塩害があり、主食用米がだぶつくことはないと思う。
○主食用米は不足している。WCSに取り組んでいるが主食用米に転換してほしい。
○農家から米の単価(主食用、加工用とも)が心配という声が出ている。
○生産者にコメ余りがあまり伝わっていない。 ○昨年、今年とウンカが出て収量が下がって主食用米が不足している。害虫対策が最優先事項。 ○高齢(75歳以上)で米が作れないという人は近くの大口農家に委託している。委託された農家も主食用米だけでなく、飼料米、加工米で労力を分散させている。
○加工米(焼酎用)、飼料米、少ないが大豆・麦にも取り組んでいる。コロナの影響でお酒の消費が伸びていないので、消費の減少が心配。
重要な記事
最新の記事
-
飼料用米、稲WCSへの十分な支援を JAグループ2025年10月16日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】本質的議論を急がないと国民の農と食が守れない ~農や地域の「集約化」は将来推計の前提を履き違えた暴論 ~生産者と消費者の歩み寄りでは解決しないギャップを埋めるのこそが政策2025年10月16日
-
死亡野鳥の陰性を確認 高病原性鳥インフル2025年10月16日
-
戦前戦後の髪型の変化と床屋、パーマ屋さん【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第360回2025年10月16日
-
「国消国産の日」にマルシェ開催 全国各地の旬の農産物・加工品が集合 JA共済連2025年10月16日
-
静岡のメロンや三ヶ日みかんなど約170点以上が「お客様送料負担なし」JAタウン2025年10月16日
-
高齢者の安全運転診断車「きずな号」を改訂 最新シミュレーター搭載、コースも充実 JA共済連2025年10月16日
-
安心を形にした体験設計が評価 「JA共済アプリ」が「グッドデザイン賞」受賞 JA共済連2025年10月16日
-
東京都産一級農畜産物の品評会「第54回東京都農業祭」開催 JA全中2025年10月16日
-
JA協同サービスと地域の脱炭素に向けた業務提携契約を締結 三ッ輪ホールディングス2025年10月16日
-
稲わらを石灰処理後に高密度化 CaPPAプロセスを開発 農研機構2025年10月16日
-
ふるさと納税でこども食堂に特産品を届ける「こどもふるさと便」 寄付の使いみちに思いを反映 ネッスー2025年10月16日
-
「NIPPON FOOD SHIFT FES.」に出展へ 井関農機2025年10月16日
-
マルトモが愛媛大学との共同研究結果を学会発表 鰹節がラット脳のSIRT1遺伝子を増加2025年10月16日
-
マックスの誘引結束機「テープナー」用『生分解テープ』がグッドデザイン賞を受賞2025年10月16日
-
北海道芽室町・尾藤農産の雪室熟成じゃがいも「冬熟」グッドデザイン賞受賞2025年10月16日
-
夏イチゴ・花のポット栽培に新たな選択肢「ココカラ」Yタイプ2種を新発売2025年10月16日
-
パルシステムの奨学金制度「2025年度グッドデザイン賞」を受賞2025年10月16日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日
-
鳥インフル デンマークからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日