水田交付金の"5年ルール"めぐり衆院で論戦 金子農相は「丁寧に検証」2022年2月17日
農水省が昨年12月、「水田活用の直接支払交付金」の対象について、今後5年間に一度も米の作付けを行わない農地を交付対象外とする方針を示したことをめぐり、16日に開かれた衆院予算委員会分科会で複数の議員が「畑作の農地に水張りはありえないなどと、現場から混乱と怒りの声が上がっている」などと、政府の見解をただした。これに対し金子原二郎農相は「水稲と転作作物のブロックローテーションを促す立場から水稲の作付けをしない農地は対象としない方針としたが、見直しの趣旨を丁寧に説明するとともに課題を検証したい」と述べ、理解を求めた。
衆院予算委員会分科会で答弁する金子農相(衆院インターネット中継から)
この対応について衆院予算委員会で複数の議員が取り上げ、山田勝彦議員(立憲民主党)は「畑作の農地に水張りはありえないなどと、全国の生産現場が混乱と怒りの声を上げており、農家をやめるしかないという話も出ている。大臣はどう認識しているのか」と質問した。また、神田潤一議員(自民)は「生産者はショックを受けている。交付金を念頭に置いて長期的経営を考えている方もおり、丁寧に声を聞いてきめ細かく運用することが必要だ」と指摘した。
これに対して金子農相は「今回の見直しは畑作が定着した農地は畑作化するとともに、ブロックローテーションを促す立場から、水稲の作付けをしない農地は対象としない方針とした」と趣旨を説明。そのうえで「今すぐというわけではなく5年間に各地域で今後の水田利用や産地形成をどう図るかを検討してほしいと考えている。産地との意見交換を通して5年間ではブロックローテーションができないとする課題など、全国的に調査して全体的な課題の把握検証に努めたい」などと述べ、見直しへの理解を求めた。
一方、米価の下落対策をめぐり、藤岡隆雄議員(立憲民主党)が「もっと危機感をもって注視してほしい。市場から完全隔離して政府備蓄米としして受け入れることも含めて機動的に対応できるよう検討してほしい」と質問したのに対し、金子農相は「政府備蓄米は不測の事態に備えて備蓄しているものであり、検討は難しい。コロナの影響による需要減に対応した特別枠の設定などで需給安定に向けた環境が整備されることを期待している」と答えた。
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