秋の肥料高騰対策 補正予算で農家事務負担軽減の仕組みづくりへ 森山元農相が全中大会で2022年5月13日
さまざまな生産資材が高騰し、特に秋の肥料価格の高騰が懸念される中、元農相で自民党の「食料安全保障に関する検討委員会」委員長を務める森山裕衆議院議員が5月13日、JA全中主催の「食料・農業・地域政策推進全国大会」で食料安全保障の強化をテーマに講演した。この中で森山氏は「秋肥の価格は間違いなく上がり、大変心配しており、農家が再生産に取り組める仕組みをつくりたい。20年前に同様の仕組みを作ったときは農家の事務量が大変だったという反省があり、スピーディーに対応できる仕組みを考えたい」と述べ、秋の補正予算で農家の負担を軽減する仕組みづくりに取り組む考えを示した。
JA全中の大会で講演する森山裕・自民党食料安全保障に関する検討委員会委員長
森山氏は講演の中で、はじめに政府が決定した「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に触れて、「第一弾として燃料対策などを除いて実質1000億円の予備費を使ったうち、農林関係で751億円を予算措置した。岸田政権が食料安保に真剣に取り組んでいる証左と理解してほしい」と述べ、ロシアのウクライナ侵攻などで食料安全保障のリスクが顕在化する中、与党として最重要課題として取り組んでいることを強調した。
そのうえで秋の肥料高騰対策に言及し、「価格が上がることは間違いなく、農家が大変心配していると承知している。農家が実際に肥料代を支払うのは12月ごろと思うので、参院選後の補正予算の議論の中に、しっかり肥料対策を位置づけたい」と述べ、農家の負担を軽減する仕組みづくりを進める考えを示した。そのうえで、「20年前に肥料が上ったときも高騰分の7割を補填する仕組みをつくったが、農家の事務量が大変だったという反省があった。肥料の仕組みの対象は100万戸くらいに上るが、スピーディーにどう進めるかしっかり考えたい」と述べた。
また、多くを輸入に依存している小麦価格が高騰していることに関連して、「小麦は日本の農地事情から2倍3倍と国内で生産が伸びることは予測しがたい。そうした中、米粉について、パンや麺にどの種類がいいか研究が進んでいる。思い切って主食米をつくっても米粉の米作りをしても農家所得に遜色ない政策をつくることが米問題の解決になるのではないか」と述べ、米粉の生産拡大への意欲も示した。
講演のあと、大会に参加した各地のJA県連会長との質疑応答の時間が設けられ、「肥料高騰のセーフティネット対策は必要だが、事務作業が膨大になると対象から漏れる人が出る恐れがある。すべての対象者に早期に届く仕組みづくりをお願いしたい」と要望が上がったの対し、森山氏は「支援すべき方にしっかり支援が行き渡ることが大事であり、どんな方法あるか農水省やJA全中、全農の意見も聞きながら取り組みたい」と答えた。
大会後、JA全中の中家徹会長は「肥料の高騰は秋だけの一過性の問題でなく来年以降も続くが、補正予算で取り組んでいただけることは大変ありがたい」と述べた。
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