滋賀県 みどり戦略基本計画 全国初の同意2022年11月1日
農林水産省は10月28日、みどりの食料システム法に基づき「滋賀県みどりの食料システム基本計画」に同意した。琵琶湖の環境負荷に配慮した「環境こだわり農業」の生産拡大や、有機農業の面積拡大などで目標を掲げた。滋賀県の基本計画は9月に運用を開始した同法に基づく全国初の基本計画となる。
みどり法では環境負荷低減に取り組む農林漁業者の事業計画を都道府県が認定する制度がある。認定を受けると導入する機械などについて税制や金融上の支援を受けることができる。
この認定制度の運用にあたっては、都道府県と市町村が共同で基本計画を作成し、農林水産大臣と協議して同意を得ることとされている。
今回は滋賀県と県内19市町が作成した「滋賀県みどりの食料システム基本計画」について農相が同意した。
滋賀県の基本計画は「滋賀県環境こだわり農業推進基本計画」などをベースに化学肥料・化学農薬の使用低減や琵琶湖の環境負荷に配慮した「環境こだわり農業」の生産拡大に加え、有機農業の面積拡大、スマート農業など新技術の活用で目標を掲げている。
目標には、化学肥料と化学農薬の使用低減を行い知事の認証を受けた「環境こだわり農産物」(米)の作付面積割合を2022年度に50%以上とすることや、2026年度までに長期中干し(14日間以上)実施面積を1万2000ha、秋耕実施面積を1万9100haとすることを掲げている。有機農業面積は同年までに500haとすることが目標だ。
環境負荷低減のために農業者に求められる活動のポイントは、「環境こだわり農産物」の拡大に向けた化学農薬の効果的な使用とICT導入による細やかな用水管理、肥培管理や、耕畜連携、水稲と茶での有機農業拡大などだ。
また、環境こだわり農業の意義と環境保全への効果、農業者の努力を発信するとともに、消費者、企業なども含めて構成される「こだわり滋賀ネットワーク」との協働で理解促進もはかるほか、飲食店や事業所食堂での環境こだわり農産物の積極利用を推進する。
滋賀県内の農業者はこうした基本計画に基づいて環境負荷低減事業活動の実施計画を策定し知事の認定を受けることができる。県は11月1日から認定の申請受付を開始した。
認定を受けると必要な機械や設備の導入当初の所得税・法人税の負担が軽減されるなど支援措置を受けられる。
農水省は農業者がみどり戦略の実践で支援を受けるために必要な都道府県の基本計画を年度内に策定するよう都道府県に働きかけている。
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