生乳生産量 4年ぶり前年割れ Jミルク需給見通し2023年1月30日
Jミルクは1月27日、2023年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しを発表した。
2022年度の生乳生産量は昨年9月時点では768万tを見込んでいたが、その後、需給状況の改善のために全国で生産抑制に取り組んだ。
その結果、今年度の生産見通しは全国で756万5000tと前年比98.9%と2018年以来、4年ぶりに前年度を下回る見込みとなった。北海道は427万4000tで同99.1%、都府県は329万1000tで同98.7%の見通しとなった。
また、2023年度の生産量は全国で747万tの見通しで同98.7%、北海道は423万tで同99%、都府県は323万9000tで同98.4%の見通し。全国、北海道、都府県ともに2年連続で減産となる。
北海道の生産量見込みはホクレンの受託目標数量401万tに加えて、系統外出荷量22万tを見込んだ。
2023年度の乳用雌牛頭数のうち、2歳未満頭数は北海道で約4000頭、都府県で約2000頭減少する見通しで全国で今年の秋以降は2022年を下回る見通し。
搾乳牛となる2歳以上の頭数は都府県では約2000頭減少、北海道で約7000頭増加する見通しで北海道では9月以降、2022年度を上回る予測となっている。
乳製品需給のうち、脱脂粉乳は22年度末の在庫量は10万1000tで同103.5%だが、在庫削減対策に取り組むことで8万2500t、同84.5%となる見込み。
一方、2023年度末の在庫量は12万tで同118.7%。過去最高水準となる見込みだが、2022年度在庫削減対策で23年度に8000t分を見込んでいることから、それをふまえると11万2000tの見込みとなる。
バターは22年度末の在庫量が2万9700tで同75.1%、23年度末は3万1100tで同98.2%となる見通し。
Jミルクがまとめた当面に課題では、春休みからゴールデンウィークにかけて学校給食がなくなるため需要が減退する一方、生乳生産量は伸びるため「処理不可能乳の発生の懸念は予断を許さない状況が続く」としている。引き続き消費拡大運動などが必要だ。
また、脱脂粉乳は在庫量が10万tを超える見込みであり、「在庫削減は業界として需要課題として取り組む必要がある」と強調した。
同時に需給緩和状況を早急に均衡させるには生産抑制と需要拡大が求められるとしている。とくに生産抑制は生産基盤の弱体化の恐れがあるものの、生産者の厳しい経営状況を消費者に理解してもらい、製品価格に反映させやすい環境整備を後押しすることになる、と位置づけ取り組みを進める。
一方で国産牛乳乳製品の安定的な供給のためには、これまで同様に「国に支援は不可欠」とするが、「業界内で需給調整にかかる議論を深め体制の構築を図る必要性がある」ことも強調している。
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