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改正植物防疫法 4月1日施行 発生予防へ「総合防除」推進 農水省2023年3月30日

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海外からの病害虫に侵入リスクが高まっているなか、輸入検疫の強化や迅速な防除などを国が実施できるよう改正された植物防疫法が4月1日に施行される。改正法では国内の防除について、化学農薬のみに依存しない発生予防を中心とした「総合防除」も推進する。

改正植物防疫法 4月1日施行 発生予防へ「総合防除」推進 農水省

輸入検疫 中古農機を検査対象

地球温暖化や人とモノの移動の増加で海外からの病害虫の侵入リスクが高まっているなか、食料の安定確保のためには植物の検疫し病害虫の侵入とまん延を防ぐことや、国内での適切な防除が必要だ。

そのため植物防疫法では「植物」を輸入したら植物検疫所へ届け検査を受けなければならないことを定めているが、今回の法改正で対象に「検疫指定物品」を追加、省令でこれを「中古農機」等とすること定めた。理由は病害虫が含まれる土などが付着しているリスクが高いためだ。

これによって中古農機を海外から購入した場合は輸入検疫の対象となるほか、あわせて国内での中古農機の購入も国内検疫の対象とすることや、輸出する際にも相手国から求められれば検査しなければならないことも規定した。

植物防疫官の検査権限も強化する。入国旅客に対する検査権限を強化し、入国旅客からの申し出がない場合でも必要に応じて質問や携帯品の検査
が行えるよう改正した。
また、有害植物の定義を見直し、定義に「草」を追加した。国際基準と整合するよう改正したもので、これによって雑草も輸入検疫、国内検疫、国内防除の対象とすることができる。ただし、今回の改正法施行までに具体的な対象雑草を省令で定めることは見送った。農水省は対象雑草について「知見を積み上げている段階」としており、将来は具体的に定めることもあり得るという。

国内検疫 緊急防除の迅速化

このような海外から国内への侵入防止も重要だが、国内に侵入したり、一部地域にのみ存在する病害虫のまん延防止も重要だ。

今回の改正でこれまで都道府県に委ねられていた侵入調査事業を国の制度設計のもとで全国斉一的に調査できるようにする。

また、この侵入調査事業を補完するため農家などが調査対象の病害虫の侵入のおそれを認めた場合、通報するよう努力する義務も規定した。

北海道で2016年から実施されているジャガイモシロシストセンチュウに対する防除は国による緊急防除として行われている。防除内容は、なす科植物の作付け禁止、防除区域外への移動禁止などで防除開始前に30日間の周知期間があった。

今回の法改正でこの緊急防除について、対象となる病害虫に対する緊急防除実施基準をあらかじめ策定し明らかにしてある場合は、事前の周知期間を10日間とすることができるようにした。これによって地域で対象病害虫が確認された場合、最短で10日後に緊急防除を開始することができる。

輸出検疫-第三者機関の実施も可能

植物を輸出する際も病害虫の付着がないことを証明する検査を行う必要があるが、農産物輸出の増加で検査業務も増加している。そこで今回の改正では検査を植物防疫官だけではなく、農林水産大臣の登録を受けた第三者機関も実施できるよう措置する。ただし、検疫証明書は植物防疫官が発給することは変わらない。

国内防除 未然に防ぐ努力を

今回の改正で防除については化学農薬のみ依存しない発生予防を中心とした「総合防除」の考え方を法に位置づけた。農水省植物防疫課は「改正のもっとも大きな目玉」と話す。

みどり戦略で化学農薬の使用量低減の目標を掲げているが、温暖化で病害虫の発生地域は拡大し発生量も増加していることから、農薬のみ依存した防除では限界があるとして農水省は予防策が大事だとする。

たとえばジャンボタニシは発生地域が33府県まで拡大しているが、総合防除の考え方ではジャンボタニシは耐寒性が弱いことから、冬の間の耕運や水路の泥上げなどで駆除するといった取り組みを重視する。

また、リンゴ黒星病は基幹防除剤に耐性菌が発生しており、農薬だけに依存したのではいずれ防除が無理なる可能性もある。そこでこの病害虫は被害落葉で越冬することが知られているため、春先に越冬落葉をほ場外へ持ち出すといったことが予防策となるとしている。
そのほか防虫ネットの使用や、ほ場内の雑草防除、ほ場の見回りによる早期発見なども総合防除の取り組みとして挙げられている。

農水省植物防疫課は「特別なことが求められるわけではなく、普段の営農活動をおろそかにせず当たり前のこととして取り組んでいただきたい」と話す。

農水省は総合防除に関する基本的な指針を作成した。そこではJAなど農業者団体に対し、地域に合った防除体系づくりと防除暦などへのとりまとめに役割を発揮することが期待されており、農家には研修への参加などで理解を深め総合防除を実施することを促している。

「現場でのJA営農指導員の指導が重要」と期待する。改正法について今後、ポスターなどで周知を図ることにしている。

植物防疫法改正のポイント

<輸入検疫>
〇植物防疫官の検査権限の強化
〇中古農機等の検査対象化
〇検疫有害動植物・有害植物の定義見直し

<国内検疫>
〇侵入調査事業の実施
〇通報義務
〇緊急防除の迅速化
〇緊急措置命令の拡充

<国内防除>
〇「総合防除」を推進する仕組みの構築

例:ジャンボタニシ
(予防)
・冬季の耕うん
・冬季の水路の泥上げ
・収穫後、または苗移植前の石灰窒素施用
・取水口や排水口への網に設置
・食害を受けにくい中苗・成苗の移植
(判断・防除)
ほ場観察により発生密度が一定以上の場合は、以下の防除を実施
・成貝の捕殺、卵塊の除去
・水深4cm以下の浅水管理
・適期の薬剤散布など。

<輸出検疫>
〇輸出検査における第三者期間の活用

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