耕畜連携や担い手経営体への支援など食料安保強化へ緊急パッケージ 政府2023年10月13日
政府は10月13日午前、第5回食料安定供給・農林水産業基盤強化対策本部を開き、食料安全保障の強化、農産物輸出など岸田政権が掲げる4本柱について緊急的に取り組むべき対策を取りまとめた。
官邸の会合。岸田首相と宮下農相(写真:首相官邸HPより)
岸田首相は宮下農相に対して、同日まとめた緊急パッケージの内容を10月にまとめる総合経済対策に反映するとともに、年末に昨年策定した食料安全保障強化政策大綱を改訂するよう指示した。
岸田政権は「農林水産物・食品の輸出促進」、「農林水産業のグリーン化」、「スマート農林水産業等による成長産業化」、「食料安全保障の強化」を4本柱にしている。
輸出促進について今回のパッケージでは、品目団体によるオールジャパンの輸出力の強化、食料供給基盤を支える輸出産地の形成などを支援する。
農林水産業のグリーン化ではみどりの食料システム戦略の加速化、堆肥・下水汚泥資源の活用を支援する。
スマート農業ではスマート農業振興法の法制化に向けた検討を加速させるほか、経営体を支えるサービス事業体に対する機械導入の支援などを行う。
食料安全保障の強化では過度の輸入依存からの脱却に向け、畑地化・団地化による小麦・大豆などの本作化支援、野菜の一次加工の強化支援、粗飼料と堆肥の相互供給の強化に向けた耕畜連携への支援、米粉の利用拡大などと支援する。
また、審議会で基本法検証の議論などもふまえ、「生産者の急減に備えた生産基盤の構造転換」も盛り込み、農地を集約し地域農業を担う経営体への機械の追加投資の負担軽減措置や、ほ場の大区画化、水利施設の集約。再編などの支援を行う。
そのほか「国民一人一人の食料安全保障の確立に向けた食料システムの構造転換」を課題にフードバンクや子ども食堂への支援、適正な価格形成と国民理解、さらに安定的な輸入の確保のための海外集荷施設、港湾施設への投資促進、野菜種子の採種適地の確保を支援する施策も講じる。
宮下農相は肥料や飼料など生産資材価格の国際相場について「足元では落ち着いているが、世界的なリスクの高まりによって今後も価格変動するリスクがあると認識している。国内での供給の強化、輸入ルートの多角化などいろいろな手を普段から打っていかなければ食料安全保障の強化につながらないとの思いで(施策の具体化に)取り組んでいきたい」と述べた。
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