農業は恰好いいと示したい トラクターデモに立った農家の声 「令和の百姓一揆」2025年3月31日
3月30日、都心を行進した「令和の百姓一揆」デモは大きな注目を集めた。どんな思いで立ったのか。トラクターで参加した農家に聞いた。
米がなくならぬよう作るのみ
千葉県で米とキュウリを作る加瀬好基さん
千葉県で米とキュウリを作る加瀬好基さん(34)は、「農業はこんな恰好いいことができるんだと示したくて、トラクターデモに参加した」という。生産者の手取りという面では「米はまだ安い」と感じ、所得補償を願っている。「私たち農家は、農産物を一所懸命作って消費者に届けたい。米がなくならないよう、作るのみです」と語った。
消費者も農にふれて
千葉県で米と露地野菜を作る小出一彦さん
同じく千葉県で米と露地野菜を作る小出一彦さん(60)は、「国はあてにならない」と吐露し、「消費者には自分たちで米や野菜を作ったり、近所の農家を手伝ったりして農にふれてほしい」と話す。「農家と消費者とがもっとつながれば、安心できるようになると思うんです」
何とかせんならん
広島県で食育に携わる宮地候子(まちこ)さん
広島県の因島で鉄工所を営む宮地候子(まちこ)さん(72)は、山田正彦さんの講演を聞いてショックを受け、「何とかせんならん」と、地域の学校の子どもたちとサツマイモや麦を作り食育に携わる。「日本の食べ物をしっかり食べ元気な子どもたちを育てたい」との思いを胸に、デモに駆け付けた。
若者が定着できる支援
山梨県の米農家・五辻活(めぐみ)さん
山梨県の米農家・五辻活(めぐみ)さん(83)は、大規模化・スマート農業・輸出振興を柱とする今の農政に批判的だ。水田が広がる農村には楽しさがあり、生物多様性が息づいている。都会で疲れても、農村に来れば生きる力が取り戻せる。農業は「瀬戸際」だが、希望はまだある。家具職人や雑誌編集をしながら田んぼもする、半農半Xの若者たちが地域にいるからだ。「彼らが定着できるようにするためにも、欧米並みの所得補償が必要だ」と力を込めた。
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