米、野菜、牛乳、豆腐、納豆を指定飲食料品 食料システム法来年4月全面施行2025年12月8日
農水省は来年4月に全面施行される食料システム法の基本方針と持続的な供給のためにコスト指標に基づく価格形成を行う指定品目などの方針を12月5日に開いた食農審食料部会に示した。
12月5日の食農審食料部会
適正な取引へ規制
食料システム法は①合理的な費用を考慮した価格形成の実現と、②国産原材料の活用や環境負荷軽減など食品の付加価値向上の取り組み促進、の2本柱からなる。
このうち②は、2023年から関係者で構成した適正な価格形成に関する協議会のなかで、とくに消費者側から価格転嫁ばかりではなく、有機農産物など活用した環境負荷の抑制など消費者が納得できる取り組みの促進も必要だとの声も踏まえて検討された。国産農産物の活用や流通の合理化などの事業計画を食品事業者が定め、農相がそれを認定すると税制の優遇措置が受けられるものでこの部分は10月1日に施行されている。
来年4月に施行されるのは①で農相は食品等の取引の適正化に関する基本方針を策定することになっている。
基本方針では、食料の生産、供給に必要なコストが増加傾向にある一方で取引価格に十分に反映することが難しい状況が続いてきたと明記した。また、納品期限など長年の商習慣が持続可能な食料供給を阻害するコスト負担も生じているとして商習慣の見直しの推進も必要だとしている。
コストが認識しにくい食料品について、生産から販売までに要するコストを考慮した取引条件の協議を促進することが必要であることも示した。
その指定飲食料品は、米穀、野菜、豆腐、納豆、飲用牛乳の5品目とする。食料システム法を国会審議では衆参の農林水産委員会でこの5品目を対象とすることを付帯決議していた。
食料システム法では農林漁業者、食品等事業者に対し、2つの努力義務を措置している。〈努力義務①〉はコストを考慮した取引を求める理由を示して取引条件を協議するよう申し出があった場合には誠実に協議すること。〈努力義務②〉は取引相手から商習慣の見直しなど持続的な供給に資する提案があった場合は検討、協力すること。
農水省は5日の審議会に関係者が2つの努力義務を果たしているかの行動規範となる判断基準を示した。
価格交渉は速やかに
それによると取引条件の見直しを求める申し出に対しては、速やかに協議に応じるとともに、定期的な協議の要請があった場合には適切な頻度で協議を行うことや、協議においては公表資料や今後作成されるコスト指標を尊重することも行動規範とする。
また、協議では取引価格や取引条件を一方的に決定しないことも行動規範とする。具体的な問題となる事例として農水省は補助金を理由に納入価格の引き下げを一方的に決めることを挙げている。
こうした基本方針と判断基準、指定飲食料品についての農水省の案は審議会で了承した。農水省は12月6日からこれらの案についてパブリック・コメントを来年1月4日まで募集している。
フードGメンを設置
関係者が行動規範を守って取引をしているかなど、食料品の取引適正化に向けて農水省は10月1日にフードGメンを配置した。本省に2名、地方農政局に16名、計18名体制でスタートした。また、情報受付窓口を設置、農水省ホームページに受付フォームを設置し努力義務違反の事業者についての情報を常時受け付け、必要な対応をする。食品等の取引実態調査も実施し、価格交渉の実施状況や商習慣の課題に関する協議状況などをアンケートやヒアリングで毎年把握することにしている。
そのうえで食料システム法では、立ち入り検査、助言、指導、勧告・公表、さらに不公正な取引方法に該当すると思われるときには、公正取引委員会への通知が行われる。
今後はコスト指標の作成などが品目ごとの生産者から流通業者、小売業者などの幅広い関係者で検討され、来年2月ごろにもコスト指標団体の申請受付を行うスケジュールが想定されている。
米は既存団体をコスト指標作成団体とし、そのなかに「コスト指標作成委員会」を設置する方向で生産・集出荷団体と卸団体が中心となって調整中だ。
その他の品目は新規団体の立ち上げを前提に生産・集出荷団体と加工や製造団体が中心となって調整を進めている。
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