水田に入らず除草剤散布 楽粒(らくりゅう)使用で楽を体験! 北興化学工業2022年7月27日
水田に入らなくても除草剤を散布できる、北興化学工業株式会社が今シーズンに販売を開始した水稲用除草剤「サキガケ楽粒」の省力性を確認するための実証が、このほど行われた。「風上一辺処理」と「水口施用」について効果を確認した。
1ヘクタールの水田に除草剤を散布する場合、1キロ粒剤やフロアブル剤の田植同時処理、ジャンボ剤を使用するのが一般的だ。田植同時処理しない場合はどの剤型も畦畔だけでなく水田内に入って散布する必要がある。
同社は楽粒の省力性を実証するため、1ヘクタールほ場で、サキガケ楽粒を使用し、水田内に入ることなく処理が可能な「風上一辺処理」、「水口施用」を行った。
1.サキガケ楽粒の風上一辺処理の実証
(1)事前準備
①水深を5~6cm確保および風向きを確認する。
②サキガケ楽粒 250g袋の所定の場所(下図参照)をカットする(袋のまま散布できる)。
(2) 風上一辺処理
① 風上側の畦畔を歩きながら、水田中央に向かって、所定量(250g/10a)を水田面積分散布するだけで完了する(風向きにより畦畔二辺を使ったL字散布でも可)。
楽粒は拡散性に優れていることから、均一に散布する必要がない。
② 散布された楽粒は田面を漂い、ゆっくり溶けて、水田全体に拡散する。
*散布直後からさざ波が消えて、水面が鏡のようになる現象が確認されている。
③ 散布時間はおおよそ3分で完了した(同社調べ)。
2.サキガケ楽粒の水口施用の実証。 *事前準備は一辺処理と同様
(1) 水口施用
① 稲が流れない程度に、勢い良く、入水する。
② 水の流れにのるように水田面積分の所定量(250g/10a)を水口に施用するだけで完了する。
散布時間はおおよそ1分で完了した(同社調べ)。
③上記展示ほの入水は10分間実施した。
3.実証結果について
「楽粒」は均一に散布する必要がないことから、水田の中に入らず、面積分の所定量(250g/10a)を散布するという新しいチャレンジをしている。
「一辺処理」は風上の畦畔の一辺を歩くことで散布が完了する。労力および散布時間はフロアブル剤やジャンボ剤の周縁散布より省力的であり、特に1ヘクタールの水田でも中に入って散布する必要がない。
田植え作業は通常でも忙しい。その中で苗、肥料、箱剤、除草剤を補給しながら、均一散布を余儀なくされる田植同時処理を選ぶか、楽粒の省力性を取るか、ご自身で選んでもらいたい。
「水口施用」はフロアブル剤やジャンボ剤でも登録を取得している薬剤も少なくない。楽粒はフロアブル剤のような液体ではないため、施用は簡易となる。さらに楽粒は浮遊する製剤であり、拡散力の強さもある。同社のジャンボ剤の水口施用と比較しても引けを取らない。
水稲用除草剤は水田の中に入らなくてもよい時代がすぐ近くにまで来ている。
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